ニック・ターナー新作リリース ルドルフ、ハウス参加

Nik Turner Life In Space
NIK TURNER / LIFE IN SPACE (CLEOPATRA CLO0605) 2017

前作SPACE FUSION ODDYSSEY(2015)から2年、新作LIFE IN SPACEがリリースされました。ここ数年のソロ作同様、米CLEOPATRAからの発売で1CD版と500枚限定2LPという2種のフォーマット。
1曲目のEnd Of The Worldがクレパトのサイトでシングル曲としているので、のちにアナログEP盤がリリースされるかもしれません。

元UK-SUBSのニッキー・ギャラットとDIE KRUPPSのユルゲン・エングラーの起用は今作でも続いており、ニックの米国活動のパートナーHEDERSLEBENのメンバーとのユニットが軸となり、エングラーがプロデュースと一部の曲提供、演奏参加。そこにゲストでポール・ルドルフが1曲ギターで参加、サイモン・ハウスが数曲参加。
前作はOHMを中心とするユニットでしたのでテクニカルでハードエッジな印象でしたが、今回はHEDERSLEBENのサイケプログレ風味なスタイルになっています。

オープニングナンバーEnd Of The Worldはルドルフが唯一参加した曲ですが、ワウのかかったギターをバッキングで弾いてるだけで特に強い印象はありません。メランコリックなバラード曲でニックのリードボーカルも優しげな歌い方。HEDERSLEBENでも多用されているメロトロンのストリングス音にフルートが絡みます。
2曲目Why Are You?はハードなギターリフをメインにした演奏ですが、そこにメロトロンが乗り、サックスソロが展開。ニックのボーカルは歳のせいか、かなり抑えた印象。
続くBach To Earthはギャラット作。アコギにフルート、そしてハウスのバイオリンの主題演奏とアコースティックなナンバー。アコギの上でプレイされるバイオリンとフルートの絡みがとても美しい。ホークスでは見られない演奏ですが、この組み合わせはある意味、ありそうでなかったと思わせます。
4曲目Secrets Of The Galaxyはホークス風ハードロック、中間部ハウスのバイオリン、ニックのサックスと続きます。後半は電子音だけになっていく変な曲。エングラー作。
Universal Mindはミドルテンポで朗読風ボーカルとフルートを生かした曲。
インスト曲Approaching The Unknownは森の中にいるごとく鳥の鳴き声のSE、持続音が流れる中ギターリフとタイコのリズムが続きます。
As You Wereもノイズや各種SEが流れる中、スローテンポで始まったリズムがギターのコード演奏とともにテンポアップ。ニックはサックスのアドリブ。
ラストはお馴染みMaster Of The Universe。イントロのギターリフにハウスのバイオリンが乗ってくるあたり嬉しい。最初のコーラスが終わた後の中間部はニックのサックスソロ。Aメロが復活するときはハウスのバイオリンも入ってきて終了。もうちょっと長くやってもいいかなと思いました。
おそらく今回もクレパト側でアーティストのマネージメントをしたものと思われます。
現在もUKやEUで来日時のユニットによるギグを行なっています。アルバムプロモーションツアーは10月15日から11月一杯かけて全米で行われる予定。その際はHEDERSLEBENのメンバーがバックになることでしょう。

先日ホークスの公式サイトのアナウンスで、ニックが活動の際Hawkwindの名称を使えないようにという訴えが、最終的に勝訴したと伝えていました。まだ決着していなかったのかと思いましたが、ニック本人の意思とは関係なく、ギグの主催者は使用したがるので仕方ないかもしれません。でもニックのステージやこうした作品を聴くと、そんなことはどうでもいいようにも思えます。

ティム・ブレイク 初期2枚国内盤リリース

70年代EGGよりリリースした初期2作品が、ESOTERIC RECORDINGSのマスター経由でワサビ・レコードより発売されました。ESOTERICはジュエルケースでしたが国内盤は紙ジャケでEGGのLP盤を模しています。NEW JERUSALEMはスリーブの口が向かって右ではなく上となっているのも再現。帯付き、解説付き。高品質フォーマットBLUE-SPEC CD。
内容はESOTERICの2枚と同じ(CHERRY RED RECORDSのライセンスと記載あり)。レビューはこちら
上の写真に映っている小さなジャケは、ワサビ・レコードが今回の発売に伴い2枚同時購入特典で用意した8cmシングルCD。アナログ時代の日本仕様シングルをイメージしたデザイン。当時日本ではシングル盤のリリースはされませんでしたが、もし発売されていたらこんな感じになったのでは、というもの。シングルの中身は、クリスタル・マシーン収録の6曲目「永遠の合成」。シングルバージョンではなくアルバムバージョンを収録しているので、シングルCDとはいえ15分です。

<2017年9月12日追記>
ところで、ブレイク先生ですが、ホークス参加はしばらくしていませんが、今後帯同することは難しいようです。ブレイク先生はフランスに住んでいますが、イギリスがEU離脱することになったので、お金の面で面倒になるとのこと。ですので、今後よほどのことがない限りホークスのパーマネントメンバーにはならないようですね。

ティム・ブレイク caldea music II


ESOTERIC RECORDINGSによる、ティム・ブレイクのソロ作品群のリマスター再発はこれで最後となります。今作は2002年にリリースされたアルバムで、フランスとスペインの国境にまたがる高原の小国アンドラにあるスパ施設カルデアに委託されたアンビエントなヒーリングミュージック。

Neuronium / caldea music
Neuronium / caldea music(2000)
タイトルに2とついているのは、1にあたる作品が2000年にリリースされているため。スペインのエレクトロニクスミュージックの大御所ニューロニウム NeuroniumのCALDEA MUSICがそれ。もともとタンジェリンなどに通じる瞑想的でスペーシーな作風のバンドですので、ブレイク共々、コンセプトに合致しています。アンドラを挟む2つの国、スペイン、フランスのシンセサイザーミュージックの適任者にカルデアのテーマミュージックを依頼したということですね。2作品とも、当時はスペインのSynergy Recordsからリリースされました。しかしすぐに廃盤となり入手困難でした。
caldea music II オリジナル盤
Synergy Records SRCD 55303(2002)

依頼されるまでは、カルデアのことを知らなかったそうですが、実際に現地に赴きスパを体験することで、施設のもたらす効果に大変感銘したとのこと。その上で作品が制作されたそうです。このようなコンセプトのため、ブレイクの他作品に比べアンビエントな要素が強く、瞑想的な淡々とした曲調が多いですが、S.ヒレッジバンドのギタリスト、クリスチャン・ブーレがグリッサンドギターで、他バグパイプ&フルート奏者の参加により音色は従来通り多彩。耳あたり良い心地よいサウンドで満たされています。当然デジタル機材も使用しているのですが、クレジットにはあえてEMSシンセと記載するのは、こだわりですね。
オープニングはアルバムのテーマ曲という感じのナンバー Caldea。朗々としたテーマをシンフォニックに盛り上げます。
2曲目Floating、軽やかなシークエンスと乱舞する電子音が流れる中、ロングトーンのグリッサンドギター、シンセソロがゆったり演奏されるヒーリング然としたもの。
ハイライトは6曲目Jacuzzi Surfing、シュルツェさながらの反復シンセが突き進む中、ブレイク特有のファズギタートーンのシンセソロが続きます。終曲は幽玄なフルートの調べにより、オープニング曲のテーマが繰り返されます。ドラムスが入りミドルテンポで雄大なテーマが伸びやかなシンセソロで唄われます。

  • 8月には初期2枚が国内盤発売 →発売日9月6日に変更
  • なお今回のブレイク作品リマスター群の初期の2作品「クリスタル・マシーン」「ニュー・イェルサレム」がワサビレコードより8/23国内盤リリースされます。紙ジャケ、BlueSpecCD、2枚同時購入で特製8cmCD「永遠の合成」が特典。<8/27update 発売は9/6に延期されました) 詳細はこちらhttp://www.airmailrecordings.com/wasabi/wsbac058_9.html

    「永遠の合成」Synthese Intemporelleは「クリスタル・マシーン」のB面に収録されているトラックですが、アルバムが78年にスペインでリリースされた際、スペインでシングルカットされ、EPの両面に分けられました。このシングルバージョンは今回のリマスター「クリスタル・マシーン」にボーナストラックとして収録されていますので、よほどのコレクターでない限りこの特典は重要ではないですね。
    Tim Blake Wasabi Records Flyer

    スプリングツアーの様子

    今年の春ツアーは29日の千秋楽を迎えています。過密ツアーは終了し、6月にフランス、7月に本国のフェス参加の予定。今回のツアーはニューアルバムのリリースに伴ったもので、5/11から29までの18日間で16回のギグがあり、26日のロンドン、ラウンドハウスがハイライト。ツアーの様子はオーディエンスショットがたくさんYoutubeに上がっています。

    今回のセトリを見ると新作からの選曲を中心に、70年代の曲も多いです。

    今回の特別企画アンプラグド アコースティック・セット
    Quark, Strangeness and Charm
    Age of the Micro Man
    The Watcher
    Get Yourself Together
    Ascent
    We Took the Wrong Step Years Ago

    メイン・セット
    Earth Calling
    Born to Go
    You’d Better Believe It
    Have You Seen Them
    Vegan Lunch
    Steppenwolf
    Darkland
    Magnu
    The Golden Void
    Synchronised Blue
    Into The Woods
    The Machine
    Welcome to the Future

    17日のケントでのステージはプロショットが上がっています。今回から参加しているマグナスのフルネームが判明Magnus Martinとのこと。
    ステージシモテから順に、そのマーティン(key/g)、ディブス(Vo/SE)、チャドウィック(Dr/Vo)、ウィートン(b)、ブロック(g/vo)という今回のレギュラーメンバー。

    以降はオーディエンスショット。
    ラウンドハウスはサポートアクトにフィル・キャンベルのバンドが参加、こちらはホークスのアンコールにフィルが飛び入りしたブレインボックス・ポリューション&シルバー・マシーン。

    こちらは2日のブリストル。メインセットの前半、You’d Better Believe It、新作からHave Youe Seen Them?。サックスにマイケル・ソスナ(Michael Sosna)というプレーヤーが参加。久しぶりのサックス入りホークス、やっぱりいいなぁ。

    ティム・ブレイク THE TIDE OF THE CENTURY 再発

    ESOTERIC RECORDINGSからのティム・ブレイクのソロアルバム再発も佳境、4thアルバムTHE TIDE OF THE CENTURYがリリースされています。前作MAGICKのリリースから経ること9年の2000年にリリースされた作品。当時はVOICEPRINTからディストリビューションされました。今回の再発はリマスタリングのみでボートラなどの追加は無し。ブックレットのライナーノートは今シリーズのライナー担当になっているイアン・エイブラハム、ブレイクへのインタビューを軸に各作品を紹介。今回のライナーではブレイクが、自分のアルバムは、偶発的に生まれたもの、塾考して作ったもの、とに分けられると語っています。前者はCRYSTAL MACHINE、MAGICK、後者はNEW JERUSALEMとこの作品ということになります。

    Tim Blake / THE TIDE OF THE CENTURY
    ESOTERIC RECODINGS ECLEC 2591

    タイトルの由来は、ブレイクの住むブルターニュ地方の海岸は、モンサンミッシェルに代表される欧州でも潮の満ち引きが大きな地域であり、このアルバムを制作中の90年代には特に大きな潮がTIDE OF CENTURYと呼ばれたことからとったそうです。リリース翌年は21世紀を迎えるという時期的な意味もあったようです。
    オープニングはエスニカルで軽快な4拍子のリズムに乗せて歌われるボコーダーが印象的、中間部のシンセソロはブレイクが好んで使うエレキ風な音色。2曲目のタイトルナンバーはNEW JERUSALEMを思い起こすような叙情的な曲。続くSt. Dolayは悲しくも美しい佳曲、泣きのシンセソロが良いですね。
    一部の曲ではバックボーカルで親子の女性ボーカルが使用されており、コーラスがリッチになっています。最後の曲はレゲエ、ボーカルは他のゲストと同様、ブレイクの住むブルターニュの知り合いで色々な人種の参加によって自身も刺激受けて制作したとのこと。
    全体にポップテイストが強く分かりやすい叙情性が加味された作品ですが、ブレイクらしいシンセの音色やアレンジが秀逸。
    ライナーには、科学者がブレイクの音楽を好んでいるという話があり、マンチェスター大の天文学者ティム・オブライエン氏はブレイクの音楽を聴きながら論文を書くそうです。またブレイクは欧州最大の原子核研究所CERNに招かれた際、その科学者たちも同様にブレイクを聴きながら論文を書いていると言われたそうです。

    MOJO5月号にデイヴのインタビューと新曲

    英音楽誌MOJOの5月号はピンク・フロイドの「アニマルズ」発売40周年ということでその特集が掲載され、おまけCDはピンクへのオマージュとして15のアーティストが楽曲を提供しています。

    MOJO 2017/5月号と付録CD

    先月頭に発売されていましたが、コレクターズ・カバーというレンチキュラー表紙版は通販でしか入手できないので、それを注文したため入手が遅れました。見る角度を変えると豚の人形の位置が変化するだけですが。
    その付録CD、PIGS MIGHT FLYにホークスが参加、Lost In Scienceという曲が収録されています。同題曲はTHE MACHINE STOPSのエンディング曲。今回提供にあたり録り直されており、新テイクです。
    アレンジが大幅に異なり、よりハードになっています。デイヴのリードボーカルに代わりこちらはディブスが歌っています。原曲は中間部でリズムが反復パターンになって抑制進行しますが、このテイクでは全編押しの進行、さらに終盤、ニューアルバムのエンディングと全く同じプリミティブなパーカッションやSEが入ります。原曲との違いにみられる溌剌とした演奏が、ニューアルバムにおける前アルバムからの変化を象徴しています。なかなかカッコ良いテイクですので、ファンにはおすすめです。

    また今号には今年1月にデイヴへインタビューした記事が6ページに渡り掲載されています。デボンのデイヴの自宅兼スタジオで行われたもので、幼少の頃から、ストリート・ミュージシャン時代、Famous Cure時代、ホークス結成時、その後の節目節目についてファンが気になることを質問し答えています。
    デビューアルバムのレコーディングではプリティ・シングスのディック・テイラーには色々と教わったとのこと。76年のアルバムASTOUNDING SOUNDSについては、ファンキー色が強く好きでない、当時ニックとパウエルがデイヴをクビにしようとしたが、キング、ハウス、カルバートが当時のマネージャー、トニー・ハワードに相談し、逆にニック達をクビにしたなどのエピソード。77年クオークのツアーは映画「メトロポリス」をイメージしたもので、ダンサーなどが増えてあまりに大所帯でコストがかかるので一旦やめようとしたことが、ホウクローズにつながったとのこと。さらに77年にロックフィールドスタジオでハウス、カルバートと収録した未発表作品群があり、それの発売契約をCHERRY REDと行ったとのこと。まだそんな秘蔵テイクがあったのかと、本国のファンの間では話題になっています。
    その他DISTANT HORIZONSは失敗作と語っています、アイデアが出ないままマネージメントサイドからアルバムを制作しろというプレッシャーから、デモだったものがリリースされたとのこと。
    現ベース担当のハズ・ウィートンについては若かりし頃のレミーを思い出させるとのこと。などなど、興味深いコメントがたくさんあります。

    あまり見たことがない74年当時のフルメンバーショットが掲載されていました

    WARRIOR ON THE EDGE OF TIME 絶対絶命 5.1ch サラウンド評

    OUT OF THE SHADOWS
    SECRET FILMS/SECDVD110 (PAL)
    2013年にATOMHENGEレーベルより満を持して発売されたWARRIOR ON THE EDGE OF TIMEの公式初デジタル化ですが、CDに加えてDVDもリリースされました。ホークス作品の中で本確的サラウンド構築された初めての作品となりました。
    サラウンド形式という点では、過去にいくつかリリースされています。DVDのOUT OF THE SHADOWS(’04)は’02年のライブを収めたものでDolby Digital5.1chでした。しかしマルチトラックをサラウンドの各チャンネルに割り振ったようなものではなく、リアに残響成分を入れた擬似サラウンドという感じでした。
    SPACE RITUAL
    COLLECTORS EDITION
    EMI/HAWKSR 4 (DVD:PAL)

    さらには名盤SPACE RITUALのCOLLECTORS EDITION3枚組(’07)のDVDはDTS5.1chとDolby Digital5.1chの再生モードがあり、クレジットにはオリジナルステレオからアップミックスしたと記載されています。リズム、ボーカル、ギターは前に寄せており、後方は高音がカットされた残響、それに電子音やノイズが鳴っているもの。前述のOUT OF THE SHADOWSよりはサラウンド感があります。しかしマルチトラックから起こした本格的なものではありませんでした。
    なお上記2枚はPALですので、PALの再生環境がないと再生できませんのでご注意ください。

    SPACE RITUAL COLLECTORS EDITION DVDのオーディオ・セットアップ画面

    ATOMHENGEの絶対絶命のサラウンドは2CD+1DVDの3枚組であるEXPANDED EDITIONか、それにアナログ盤を加えたSUPER DELUXE BOXSET LIMITED EDITIONで聞くことができます。DVDプレーヤーと5.1chを再生できる環境が必要です。

    THREE DISC EXPANDED EDITION
    ATOMHENGE/ATOMCD31037

    SUPER DELUXE BOXSET LIMITED EDITION
    ATOMHENGE/ATOMBOX1001

    長年CD化が待たれていた名盤のデジタル化ということで、ATOMHENGEはかなり力を入れ、オリジナルマスターからのリマスターを始め、マルチトラックテープからの新リミックスはスティーヴ・ウィルソンに依頼されました。
    そしてサラウンドミックスもプログレのサラウンド化マイスターとでもいうべきウィルソンに依頼され、マルチトラックから5.1chへ構築した本格的なものとなりました。
    MLP Lossless5.1chとDTS5.1ch、Dolby Digital5.1chの3種のモードが選べます。音質はこの順通りでMLP Losslessが最も高音質。

    ATOMHENGE WARRIOR DVDのオーディオ・セットアップ画面

    当時のユーロロック・プレスに掲載されたウィルソンのインタビューで詳しく語られていますが、まずウィルソン自身もホークスを聴いて育ってきたとのことで、サラウンド化を依頼されたことは名誉だと述べていました。プログレに造詣が深い彼ですが、さすがホークスも押さえていました。曰く、各トラックだけで聴くと酷いと率直な感想、でもそれが一つになるとめちゃくちゃカッコよくなるのがホークスとのこと。また元々クリアでない塊感が魅力なので、作業中クリアになりすぎて、元のグランジーな魅力がなくなっていないか気をつけていたとのこと。正直ウィルソンさんがそこまでホークスのことを理解して作業したとは思わなかったので、とても嬉しい話でした。そんな絶体絶命のサラウンド、どのようにミックスされているのか、以下レビューします。

    Assault And Battery
    イントロのベースはフロントの2chとウーファー、メロトロンはオリジナルより明らかに強調してリアの2chで盛大に鳴っています。メロトロンを後方から鳴らすことでアルバムのテーマであるヒロイックファンタジーの舞台感が出ています。
    続くハイハットはフロント、リア同じくらいの音量でオリジナル同様右側に配置。
    続くドラムはフロント左右。後方でも鳴っていますが、ほとんど前方です。フルートは中央後方寄りに出ているので頭の上で舞ってるように聞こえます。
    デイヴのボーカルはフロントのセンター。ここで初めてセンターから音が出ます。センターはボーカルのみ。ですので、他のスピーカーをオフにするとボーカルだけ聴くことができます。ボーカルの残響成分は左右、後方の左右でも鳴っています。ギターは前方左に寄っています。中間部のフェイズのかかった唸るオルガンも後方から。カウベルはセンタースピーカーから。コンガもフロント寄り。

    Golden Void
    前曲とのつなぎ、壮大なメロトロンは引き続き後方の2chで高らかに鳴り響いてます。ハウスの耳を擘く高音のミニコルグのリードソロは前後左右のセンター真ん中。フィードバックのかかったエレキのサスティンがフロントのセンター。サックスは後方で左右にパンしています。ここはサラウンドの効果がすごく、包まれ感に至福の時を感じます。ギターのストロークは引き続き前方左。

    The Wizard Blew His Horn
    朗読と効果音による曲ですが、このような場面ではサラウンドによる音響効果は如実ですね。ボイスは前で、そのディレイは後方で左右にパン。パーカッション類は前方、キーボードのグッリサンドのようなノイズは後方。

    Opa-Loka
    アパッチビート風のパーカッション群は前方後方の4つのスピーカーから囲まれるように鳴っています。ベース、フルートは前方、ストリングスは後方、電子音とギターはサラウンドの音場の中を回転するように舞っています。

    The Demented Man
    ボーカルはセンター、アコギはセンター含めた前方3つのスピーカー、コーラス系のメロトロンは後方、潮騒と海鳥の声は全体で鳴っています。ボーカルのコーラスはフロントの左右に振り分けています。

    Magnu
    イントロの嵐の音は四方から、ギターは前方左、ドラムも前方左、2つ目のドラムセットは前方右と後方右でも結構鳴っています。ツインドラムの左右振り分けがオリジナルよりも明瞭。ボーカルの生声はフロントセンター、エコーは主に後方の左右、バイオリンは前方に対してサックスは後方寄りにと分けています。中間部のコンガは後方、電子音は四方から。変調のかかるコーラスも四方から鳴っています。

    Standing at the Edge
    朗読は生声がフロントセンター、ディレイは後方中心。ティンパニーや銅鑼は四方から包むように鳴ります。電子音は至る所から。

    Spiral Galaxy 28948
    イントロのシンセは四方を回るように動いています。ドラム、ベースは主に前方に展開。ギターは左前と左後。シンセ群は高音系のレゾナンスの効いたミニコルグは主に前方で展開。中音域は後方に配置。フルートは前後左右中央。

    Warriors
    パーカッション類は前方やや右寄り。朗読の生声はフロントセンター、変調した声は四方から、渦巻くように回転しています。電子音も同様。

    Dying Sea
    ベース、ドラムは前方。フィルター変調のかかったシンセは後方。サックスは前方寄り、ワウのかかったバイオリンは後方。中間部のシンセソロも後方で前方のサックスと明確に分けています。この曲はニックのペンになるので、あえてサックスをフロントにしているというあたり、分かってますね。

    Kings of Speed
    イントロギターは前方、続く電子音は後方、リズムは前方でスタート。バッキングのギターは後方に移動。コーラスに合いの手で入るシンセは前方。後半のギターリフは前方。バイオリンも前方。この曲はかなり塊感を意識しているようで、後方はギターのバッキングのみという感じです。

    というような内容で、ウィルソンの手によってオリジナルの良さを残しつつ、サラウンドの包まれる音場感を楽しめる出来かと思います。隠し味で入っているフィードバックの効いたギターの音色など改めての発見もあります。

    サラウンドについては好みもありますが、総じてプログレ系は楽しんでいます。イエス、クリムゾン、ピンク、ジェネシス、S.ハケット、M.オールドフィールドらの聴きまくったアルバムでも、サラウンド化によって新たな魅力が備わっていると思いますし、特にジェントル・ジャイアントのような音数の多いバンドは、個々の楽器が明瞭になるという利点もあります。
    <管理人のサラウンド環境>
    サラウンド化についてはAV系のセットを利用するケースが多いかと思いますが、管理人は元々ジェネレックのスピーカーを使っていることもあり、バランス接続のできるマルチchのプリアンプをDVD/BDプレーヤーとの間にいれて、サブウーファー含めたジェネレックのベースマネージメントによる5.1ch環境としています。
    ホークスのDVDはPALが多いので、PAL再生可能なDVDプレーヤーも用意しています。

    Hawkwind ニューアルバムINTO THE WOODS全英34位確定

    今週の全英Official Chartsが発表されました。
    ホークウインドの新作INTO THE WOODSは34位と、前作に続きまたまた健闘しています。内容の良さに比較して、地味なジャケットのため案じていましたが、がんばりました。
    ロック&メタルアルバム部門では堂々の2位となっています。

    Officiak Charts アルバム部門
    Rock & Metalアルバム部門

    トップ40入りは前作29位に続き、82年のCHOOSE YOUR MASQUES(29位)以来の出来事ですが、今作も日本ではほとんど知られず、メジャーリリースもないという状況です。

    タワレコでINTO THE WOODSを見る

    ニューアルバム週間チャート初登場24位・公式ビデオリリース/アンプラグドも

    いよいよ明日から怒濤の全英ツアー開始のホークウインドですが、最新アルバムINTO THE WOODSが全英オフィシャルチャートの5/5-のアルバム部門週間チャートで初登場24位に入りましたが、暫定ランキングで今現在は圏外、週末にランキングが確定します。ちなみに昨年、前作は初登場18位でした。

    ツアーに向けて昨日公式サイトMISSION CONTROLからニューアルバムINTO THE WOODS収録曲Have You Seen Them?の公式ビデオがリリースされたとのアナウンスがありました。アルバムの前半のハイライトの7分に渡る曲で、尺はそのまま最近のステージショットとレコーディングスタジオ、CG、森のロケ画像などを組み合わせています。
    メロディアスな前半の歌唱部分、後半の反復演奏で電子音を絡めて盛り上がるところがホークスらしいナンバーです。

    Themというのはアルバムのテーマの一部である森の妖精を指していることが分かります。またこの動画をみるとリードボーカルはチャドウィックようですね。ディブスも歌っているとアルバムにはクレジットがありますので、二人で歌いつつメインはチャドウィックという感じですね。
    その点でアルバムをみると、ディブスの関与がかなり減っていると思われます。

    続いてこちらも最近のステージショット。アンプラグドです。最近の曲もやってますが、アンプラグドだとカルバートのテイストが濃いHAWKLORDS期の曲がフィットしやすいですね。
    今回のツアー告知では、スペシャル・アピアランスHAWKWIND UNPLUGGEDと記載しており、セトリにこのコーナーが加えられています。

    ハズ・ウィートンもアコースティック・ベースに持ち替えています。右のギターは新作にゲストとして参加したマグナスと記載されています。ソロプレイも披露しており、達者なプレイヤーのようです。アルバムではキーボードもプレイしているし、このままレギュラーメンバーになるかもしれません。

    明日から始まるINTO THE WOODS ツアーのフライヤー UNPLUGGEDのコーナーがあることをアピールしています

    タワレコでINTO THE WOODSを見る

    INTO THE WOODS CD版レビュー

    Hawkwind / INTO THE WOODS CD cover
    CHERRY RED RECORDS CDBRED700
    なぜかCDよりもアナログ盤の入荷が早かったホークウインドの最新作INTO THE WOODS、いよいよCDも国内に入荷しました。LPと同じくタワレコで入手しました。内容は先日紹介しましたアナログ盤と同じです。
    カバーは前作THE MACHINE STOPSと同じデジパック仕様です。いつものパターンですと、初期限定でデジパックがリリースされ、その後ジュエルケース版が通常版として発売されるという流れですが、前作は今のところデジパックしかない状況です。
    CD版のブックレットには歌詞が掲載。LP版にはなかったイラストが載っています。カバーの内側はLPカバーの内側と同じイラスト。
    Hawkwind / INTO THE WOODS
    デジパックの内側とブックレット

    内容はアナログ版でレビューしたように前作にも増してアグレッシブな作品ですが、このジャケの印象が地味すぎるので注目されにくいかもしれません。
    Hawkwind / INTO THE WOODS
    テーマとなっている森に棲む妖精が描かれ裏カバー

    なおホークスは3月から散発的にステージを行なっていましたが、このアルバムの本格プロモーションツアーが11日から開始されます。16回のギグを5月中に全英で一気に行うハードロードです。
    Hawkwind Roundhouse Flyer 2017
    45年ぶりに出演するラウンドハウスのフライヤー INTO THE WOODS のカバーの妖精
    ハイライトは26日、72年にあのグリージィートラッカーズパーティが実施された名門ラウンドハウス、45年ぶりの出演です!サポートアクトはMOTERHEADのフィル・キャンベルのバンドPhil Campbell and the Bastard Sons。
    タワレコでINTO THE WOODSを見る