ホークウィンド「オンワード」レビュー第2弾 (Hawkwind Onward LTD Edition Review)

スタンダードのプラケース版に続き、LTDというタイプでブックレット仕様の限定版が届きました。今回は割と順調にリリースが進んでいますね。残すはアナログ盤(2LP)のリリース。

hwonwardltd005.jpg
hwonwardltdl001.jpg

ご覧のように厚手のハードカバーの体裁で、CDは表表紙の裏、裏表紙の裏それぞれに収まります。プラケのブックレットと同じものが中ページとして糊付けで挟み込まれています。

hwonwardltdl002.jpg
hwonwardltdl004.jpg
hwonwardltdl003.jpg

記載されている情報やCDそのものの内容もスタンダード版と変りありませんので、好みで選んで差し支えないでしょう。このLTD版は5000枚限定ということです。
ちなみにLTD版のディスクをスタンダード版と比較してみたところ、収録トラックは全く同じですが、プレスは異なっておりました。
カバーの品番は以下のように区別化されており、それぞれのディスクの品番もそれに合わせていました。
スタンダード・エディション EW0101CD DISC1 / EW0101CD DISC2
LTD・エディション EW0100CDLTD DISC1 / EW0100CDLTD DSIC2
イギリスの METAL FORCES というHR/HM系情報サイトに、デイヴ・ブロックのインタビューが掲載され、このオンワードについてコメントしていますので紹介します。前回レビュー時のPROG誌のインタビューにはなかった新たなコメントや発見もあります。
オンワードは世界で今起きている様々な事柄についてのものだ。Computer Cowards は、パソコンで絶えず他者をののしり批判している連中について、またそれによって自殺に追い込まれてしまう子供達について。音楽ビジネスのいろいろな面に関わっている人間も批判されている、我々は常に今何が起きているのかを見つめている。
The Prophecy はラーマのことであり、予言をするシャーマンのことでもあり、キリストのことでもある。これらの予言者はいろいろ異なる予言をし、人々に影響を与える。非常に興味深いテーマであり歌詞である。
The Flowering Of The Rose、Aerospace Age、The Right To Decide については2つのフェスでのライブレコーディングとのことです。レコード会社から3曲ほどボーナストラックを入れて欲しいとの依頼があったので、故ジェイソン・ステュワートと最後のセッションを選んだとのこと。
長年に渡ってアルバムをリリースし続けてきたことについて。最初のアルバム制作、それは誰にとっても偉業となる。そして次の作品、そのまた次の作品と作っていくのは、絵を描くのと同じようなものだ。音を使って絵を描くということ。それをコンスタントかつ興味深いものに仕上げていく、それがアーティストであり、我々が我々たる由縁でもある。
カバーアートワークは前作同様、マーティン・クレルとのことです。今回はセカンドネームがKrelではないので、前作とは違う人かと思いましたが、同じでした。ブロックは今回のアートワークも大変気に入ってるとのこと。
レコーディングについて。
我々は良く話し合うし、あるいは一緒にいても何もしなかったりと、とにかく頻繁に共に過ごしている。お互いに様々なアイデアを持ち寄っている。現在はテクノロジーの進歩があり、メンバーみんながMacを持っているので、その気になればどこでもアイデアをすぐさまレコーディングできる。ついさきほどもティムとSkypeで話したところだ。彼が作った素材を送信してきたので、それを聴いてどんなものかすぐに確認できる。昨今では曲の断片をプレイしパソコンに取り込むなんて君にも簡単にできる。我々はそれを巨大なスピーカー通してラウドなロックにするわけだ。むかしはテープレコーダーだったけどね。その当時のオーディオジェネレターとあまり変わりない機材は今も使ってるし、ギターはほとんど同じ、シンセ類も相変わらず使っている。また、楽しい様々なシーケンス・ループも使う。テクノロジーの進化によって、他の多くのバンドも同じように使いたいサウンドを使っている。
その他、この秋にリリース予定のアルバムやら、スタートレックのカーク船長を演じたウイリアム・シャトナーとレコーディングをしたとか、日本には昨年行けなかったので、今年こそは行くかも、という発言など興味深いコメントが満載です。非常に濃い内容ですので、次回引き続き紹介します。

ホークウインド最新作「オンワード」レビュー第1弾 (Hawkwind Onward 2CD Standard Edition Review)

ホークウインド、最新作オンワードが4/29にリリースされ、AmazonUKより届きました。今回もCDフォーマット、LPフォーマットでリリースされますが、まずCDがリリース。今回レビューするのは、スタンダード版となるプラケース仕様のものです。

hwonwardjwl001.jpg
hwonwardjwl003.jpg

この他、ブックレットタイプのリミッテッド・エディションがリリースされますが、まだそちらは届いておりません。一部ショップには出荷が始まっており、AmazonUKからも5/5に発送したとの連絡がありました。
アマゾンでスタンダード・エディションを見る。
リミッテッド・エディションを見る。
今回も輸入版に解説を付けた国内仕様盤がディスクユニオンさんより5/30に発売予定となっておりますが、それはリミテッド・エディションがベースとなるそうです。
国内仕様盤をアマゾンで見る。
ジャケはすでに公開されていたもので、何か木の葉のコラージュして作った鎧をまとった戦士のようなイメージ。オンワードという前向きなタイトルと相まって力強く進んでいくという宣言のようにとれるカバーアートです。プラケース版は通常のブックレット、バックカバー、そしてピクチャーディスク2枚という仕様。

hwonwardjwl002.jpg

各曲のクレジットがブックレットに記載されているので、曲ごとの参加メンバーと使用楽器がおおまかに把握できます。
PROG誌に掲載された各曲へのメンバーコメントも紹介しつつ収録順にレビューします。

Seasons
静かで不安感のあるSEと鐘の音が聞こえる短めのイントロから突如ギターのカッティングとリズムが切り込み、Mr.ディブスのリードボーカルが入ってきます。ホークスらしいミドルテンポのハードロック。ギターがボーカルラインに絡み付きつきながら力強い進行。T.ブレイクが不参加ですが、電子音とキーボードはD.ブロックとN.ホーンが担当。ディブスによると昨今の格差に対するデモやその政治的な背景からインスパイアされたとのこと。作曲はR.チャドウィック/Mr.ディブス/N.ホーンの3人。

The Hills Have Ears
電子音で前曲とつながって、曲調は同じ流れでテンポアップ。ハイトーンのリードボーカルはチャドウィック。馴染みのあるリードギターのフレーズ、H.L.ラントンが久々のゲスト参加。同じくブレイク不参加、ホーンがベースもプレイのためディブス不参加。今作では、ホーンのベースプレイ率が増加し、その分ディブスの不参加曲が多くなっています。ステージでもその傾向が強いそうです。前作ブラッド・オブ・ジ・アースのテーマのフォロー曲で、人類が滅亡した後の地球について書いたとチャドウィックの弁。ホーン/チャドウィック/ブロック作。

Mind Cut
一転、爽やかなアコギのストロークに、ブロックのエレキソロが乗る牧歌的なイントロに多重録音コーラスやパッド系の音がかぶりながら、ブロックのリードボーカル。クレジットをみると作曲はブロックで演奏も彼のみ。記載のないドラムはおそらくチャドウィックが叩いていると思われます。ブロックのソロ曲はベタっぽくなりがちですが、いつになくスマートで
ホークス黎明期を思わすカントリー調も。でも、電子音はなにげに鳴ってます。ブロックは今世界は破滅へと向かっている、人々に冷静になって一緒に考えようと呼びかけていると解説しています。

System Check
Death Trap
既発曲。ホークスのMySpaceページにて、2009年に公開された Death Trap 09 を初めてアルバムに収録したもの。冒頭はホークスがステージ開始時にメンバー全員に離陸OK?というやつさ、とブロック。Death Trap は最初ホーンのパソコンにて制作を開始し、そこから仕上げていったとのこと。ボーカルはブロックとディブスで歪みとイコライジング処理でアクセントをつけています。同様にMySpaceで既発した曲は後半でボーナストラック扱いで収録されていますが、なぜかこの曲だけボーナス扱いにはなっていません。

Southern Cross
ブレイク作、彼らしいスローテンポでメローな曲調。控えめだが全編に電子音の乱舞。昨年のオージツアーの際、実際に見た南十字星からインスパイア。ブロックはシンセ演奏とクレジットされていますが、エレキっぽい音色が聞こえるので、ギターをプレイしていると思われます。チャドウィックが多彩なパーッカションでオーストラリアのプリミティブな印象を重ねているようです。

The Prophecy
ブロック作、メロディアスな面を強調した佳曲。ホーンがベース、チャドウィックのドラムということでトリオでの演奏。キーボード類はすべてブロックがかぶせているようです。今作はスタジオでの時間がたくさんとれていたので、この曲のようにブロックがソロ作のように作り込んだ曲が多いのも特徴です。終盤はパッド系シンセをバックにギターソロ。ブロックによると人類自らが新しい救世主となって地球を救うという未来を描いてみたとのことです。

Electric Tears
The Drive-By
ブロック作、インストゥルメンタル。Electric Tears はストリングスをバックにマイナー調ギターソロという1分の小曲。前後の曲をつなぐ役割とというあたりまえののデイヴの解説。ちなみに今作の曲間の多くは無音ではなくつながっているような構成をとっています。ロングサスティンのかかった歪んだギターがゆっくりと入ってくると、ホーンの反復ベースリフがスタート。反復リズムの上でたんたんとギターソロ、ちょっとフリップっぽい。電子音やサウンドコラージュが次々と現れては消えていく。作者のデイヴによるとマフィアなんかがよくやる車からの銃撃についてのイメージとのこと。
ここでCD1は終了。1、2曲目はハードナンバーですが、それ以降は比較的落ち着いた印象で、派手さにはかけますが、メロディーやアレンジが安定しており、飽きさせることなく聴ける感じです。この時点でブレイク参加曲は1曲目と3曲目のみで、今作での参加率は低め。

Computer Cowards
CD2は、冒頭のポップなイコライジング処理されたピアノが一瞬何のCDだっけ?これ?と思わせるホークスらしからぬ印象でスタート。すぐに前のめりなギターのカッティングでホークスワールド全開になり、だみ声ボーカルがリードをとります。ブロック作曲、演奏はブロック/チャドウィックの2人。ディブスによると、facebookを中心にネット上で
様々なコメントや解釈がリツイートのように広がっていくが、その発言元に賞を与えるような機能はないね、とのこと。

Howling Moon
ブロック作の2分程度の小曲。シンセなどのSE、フリーフォームなドラム、エレキはナチュラルトーンで You know You’re Only Dreaming の下降フレーズを弾いてみたり。チャドウィックもサウンドコラージュ曲と言っております。

ここからボーナストラックゾーン。
Right To Decide
Aerospace Age
Death Trap 同様、MySpace で既発。キーボードに故J.ステュワートが参加、ホーン参加前の2008年頃のスタジオ録音。共にホークス定番曲。Right は、ステュワートとブレイクのツインキーボードで音が厚く、中間部盛り上がりでのギターソロなど感動的。
Aerospace はリズムの切れが良く、タイトにまとまっています。ジェイソンらしいピアノとオルガンをバッキングにディブスとブロックがリードボーカル。

Flowering Of The Rose
前2曲と同時期に録音されたインストゥルメンタル。前曲の中間部を引き延ばしたようなスタジオ・ジャム。終盤部は Damnation Alley。
ここまでがボーナストラックで、ブロックいわく、ジェイソンとの最後の演奏だったので収録したとのことです。

Trans Air Trucking
Deep Vents
ブレイクのシンセソロをメインにした小曲でブロックとブレイク作。演奏もその2人。ブロックによるとちょっとしたジャムだったがマジック・モーメントが生まれたよ、とのこと。そしてSEのつなぎ。

Green Finned Demon
2010年、ホークスのオフィシャルサイトでダウンロード販売された同曲と同じかと思いましたが、ミックス、ドラムサウンドなどが異なります。
続いてシークレット・トラックが最後に収録されています。前曲とのには長い時間は設けていないので、前曲終了後すぐに始まります。これもジャムって感じで、ハードなギター、ブロックの語り調なボーカルが5分ほど続き、その後シンセによる電子音のコラージュ。徐々に静かになって不意に終わります。

CD1の流れはアルバムとして自然な感じですが、CD2はサウンドコラージュ的な曲が多く、ボーナストラックを間に挟んでいたりするので、やや散漫になった感じはあります。そういう意味で全体感が際立つようなコンセプチュアルな印象はありません。とはいえ、ホークスらしさが随所にあり前作から2年という、最近のホークスにしては早いインターバルで届けられた新作という観点から多少散漫でもファンとしてはまずまず満足のいく作品ではないでしょうか。
MySpaceで配信しているテイクの一部やダウンロード販売曲が収められたのも良いですね。
ちなみにこのOnward、AmazonUKのハードロック部門では現在売り上げ1位となっております。この新作が無事発売され、元気なホークスに火が入り、アルバムのプロモーション・ツアーを今月開始。5月25日のドーセットを皮切りにUK国内11カ所をツアー。6月下旬、8月もすでに2ステージブッキングされています。

PROG 4月号にホークス記事

イギリスのプログレ専門誌 PROG 誌 ( http://www.progrockmag.com/ ) の最新号4月号に、ホークスの取材記事及び付録CDに、新作ONWARDのオープニング曲 Seasons が収録されています。

progmag-120401.jpg

ちなみにこの PROG Magazine のサブタイトルは、ホークスのアルバム ASTOUNDING SOUNDS AMAZING MUSIC を流用しています。
記事のほうは、デボンのホークスのプライベートスタジオにての取材。取材時ブレイク先生は仏の自宅に行っており不在。その他の4人のメンバーへの取材。ご覧のようにスタジオ内の様子が分かる珍しいショット。鉄道模型のジオラマなんかもあります。
新作 ONWARD の各曲へのコメントも出ています。

progmag-120402.jpg

Seasons はアルバムオープニングにふさわしい、押せ押せなヘビー・スペース・ロックンロール。ギターリフが主体の演奏をバックにディブスが歌っています。作曲はチャドウィック、ディブス、ホーンの3人。前作の Wraith と同傾向の曲です。

最新作 Onward 詳細情報

ホークスの最新作 ONWARD、現時点での情報では、4つの仕様でリリースされます。
以下にその4つのフォーマットを紹介します。まずはCDから。
1)スタンダード・エディション CD2枚組 プラケース
2)デラックス・リミテッド・エディション 初回限定1000枚 CD2枚組 ハードバック・16ページブックレット
上記2タイプの2CDの中身は同じもの。
アマゾンUKからはスタンダード版の発送連絡がありました。
イギリスではもう入手可能です。アマゾンUKではデラックス版のリリースは
5月7日となっており、実際まだ発送も始まっていません。
しかし、私のイギリスの知人ショップにはすでに入荷したそうですので、現在順次プレス、
出荷中という感じのようです。
トラックリストは以下になります。
Disc1が新作 ONWARD 本体。Disc2がボーナスディスクです。
※Disc2の一部曲がボーナストラック扱いになっています。(5/5修正&追記)
ミステリーボーナストラックというのが気になりますね。
前作にあったような、バンドメンバーのおしゃべりとかかもしれません。
しかし、収録時間が短いですね、2枚に分ける必要あるのかなぁと感じてしまいますが。
Track List – CD Disc 1 [Std & Ltd Editions]:
01. Seasons (5:40)
02. Hills Have Ears [guest guitarist: Huw Lloyd-Langton] (5:09)
03. Mind Cut (4:54)
04. System Check (1:07)
05. Death Trap (3:32)
06. Southern Cross (6:42)
07. Prophecy (4:14)
08. Electric Tears (0:57)
09. Drive By (4:42)
TPT – 36:59
Track List – CD Disc 2 [Std & Ltd Editions]:
01. Computer Cowards (5:28)
02. Howling Moon (2:12)
03. Right To Decide (6:32) * Bonus Track *
04. Aerospace Age (5:55) * Bonus Track *
05. Flowering Of The Rose (8:25) * Bonus Track *
06. Trans Air Trucking (2:39)
07. Deep Vents (0:33)
08. Green Finned Demon (5:26)
09. ??? (7:58) * Mystery Bonus Track *
TPT – 45:11
次にアナログレコードです。今回もLP版がリリースされます。こちらの発売日は5月11日とか
5月21日とか、ショップによって言うことが違っています。
あちらではよくあることなので、実際の発売を待つしかないです。
ちなみにサンプル盤はすでに配布が始まっています。
3)スタンダード・エディション LP2枚組 ブラック・ビニールプレス
4)リミテッド・エディション LP2枚組 初回限定1000枚 モスグリーン・ビニールプレス ポスター付き
 ※PLASTICHEADでの注文のみ。
上記2タイプの2LPの中身は同じもの。
内容はCD版と同じのようです。ボーナスディスクの曲順が多少異なります。
以下トラックリストです。
Track List – Vinyl LP1 – Side A:
01. Seasons
02. Hills Have Ears [guest guitarist: Huw Lloyd-Langton]
03. Mind Cut
04. System Check
05. Death Trap
Track List – Vinyl LP1 – Side B:
01. Southern Cross
02. Prophecy
03. Electric Tears
04. Drive By
05. Computer Cowards
Track List – Vinyl LP2 – Side A:
01. Right To Decide
02. Aero Space Age
03. Flowering Of The Rose
Track List – Vinyl LP2 – Side B:
01. Howling Moon
02. Trans Air Trucking
03. Deep Vents
04. Green Finned Demon
05. * Bonus Mystery Track *