デイヴ・ブロック新作ソロ BROCKWORLD レビュー

2016年3月にリリースされたデイヴの6枚目のソロアルバム。前作 LOOKING FOR LOVE IN THE LOST LAND OF DREAMS が2012年のリリースでしたので、かれこれ4年ぶりとなるリリース。ホークスの新作レビューと前後してしまいました。順序からいうと、こちらが先にリリースされています。

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リリースはHAWKWARD RECORDS、自主レーベルのようです。前作LOOKING FOR LOVE IN THE LOST LAND OF DREAMS はソロアルバムらしく趣味性が強く、様々なアウトテイクの寄せ集め的要素から、散漫な印象になってしまったこともあり、実を言うと今回あまり期待していませんでした。

しかし自分の勝手な予想に反して、今作は前作に比較すると全体的に統一感があり、各曲ともソロにありがちなまったりした感じが少なく、今までの作品と比較しても、かなり良い出来だと思います。

アルバムカバーはホークス新作のカバーも担当したマーティン・Mによるもの、参加メンバーはホークスからチャドウィックが15曲中、7曲にドラムで参加。ホークスに加入したばかりのハズ・ウィートンがベースで1曲に参加。他は全てブロックが演奏。ライナーノーツに近々リリースされるホークスの「THE MACHINE STOPS」収録曲の習作も含まれると記載されています。デジパック仕様の中身は以下。左のデイヴの写真が写っているのは、ブックレット。各曲の歌詞は掲載されていません。

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1曲目、Life Without Passion、ミドルテンポのハードロック、イコラインジングされたブロックのボーカルがカッコ良く、電子音の洪水の中、曲が重厚感を伴い突き進んでいきます。曲調はホークス曲と言っても良いくらいです。ホークスの新メンバー、ウィートンのベースが良い感じ。チャドウィックは参加していないようですので、ドラムは打ち込み。2曲目 Is No Life At All はこの曲のエンディング部を抜き出し別アレンジにしたもの。ほとんど変わりませんが。

3曲目はこもったホンキートンクピアノのかわいらしいメロディの直後、極端なハードリフによるインストルメンタル Manipulation、合いの手のオルガンと後半のベースが印象的。フェードアウト。

Domain Of Those That Fly、サーフロックのような軽快なリズムで始まり、ブロックのボーカルで進みますが、途中ブリッジが入ると、アコーディオンやら犬の声や鳥のさえずり、拍手、電子音で終了する変な曲。続いてストリングス、また鳥の声、ブロックの語りというイントロ、そして「ロボット」を思わせるヘビーリフ曲Ascent Of Man。

風の音がつなぎとなり、次曲 Magnetism、シンセシークエンスとミュートしたギターカッティングが絡みあう。シンセのキラキラした音色が印象的。曲は途中でブレイクし、語り調なボイスとが入り、終わってしまう。

続く Getting Old And A Single Man ダルなフレーズが繰り返されつつジャージーな感覚、ミドルテンポで進んでいるとハードロックに変化、短いながらも変化に富む内容。続いてタンゴ調ピアノ(おそらく打ち込み)が演奏されます。この曲は新作 THE MACHINE STOPS」にも使われています。

重厚なヘビーリフが繰り返されるHorizons。インストルメンタルでアルバム中いちばん長い曲、と言っても5分程度。

機関車のSEに続いてアップテンポな佳曲 Unity。ブロックのボーカルは相変わらず歳を感じさせないハリのある歌声。

低音シークエンスにデイヴの語りの小曲 The End からドローンの唸りのイントロを持つ Leviathans Of The Air ではデイヴのロングサスティンなギターソロが印象的。一変してメロディアスなギターソロに導かれる Falling Out Of Love は「スピード狂のロックンロール」を思い出させるようなポップな曲。後半バイオリンが鳴っていますが、もしかしたらデッド・フレッドの演奏かも。

電子音の奔流にアップテンポなリズム、The Age Of Psychedelia。後半デイヴのアコギによるアルペジオでフェードアウト。最後の The Patientも電子音、SEが多用されつつ、リラックスムードのバック演奏の上でスティールギターのソロ、シンセソロと演奏が流れるように続く。このあたりの曲調はホークスでは出てこないムード。brockworld002

バラエティに富みつつ、ホークスらしい電子音とキーボードシークエンス、ウネウネするギター、ラブ&ピースな温かみの加味されたサウンド。完成度という点ではホークスの新作には及びませんが、今年75歳を迎えるデイヴのなおも進化するロッカー魂に感服するしかない作品と言えるでしょう。