Tim Blake 3rd MAGICK リマスターレビュー

英ESOTERIC RECORDINGSレーベルによる、ティム・ブレイクのソロアルバム群再発の第3弾として、91年の3rdアルバムMAGICKがリリースされています。このアルバムは91年に英VOICEPRINTからリリース、92年に仏Mantraから再発され、その際に素っ気なかったカバーが新調されました。その後、2000年に同じく英VPより再発されています。
内容はブレイクが長年住まいとしている仏ブルターニュの自宅スタジオでライブ収録されたもの。自宅でライブ用にトレーニングしている演奏をレコーディングしたとのこと。レコーディングしたそのままで、ポストプロダクションは加えていないそうです。
1曲目はA Magic Circle(魔法円)というタイトル通り、ミステリアスでいい雰囲気です。満月の夜に録音されたアルバムとのことで、アルバムタイトルを「魔術」として、シンセの魔術師ブレイクらしいニュアンスとなっています。

Tim Blake / MAGICK
ESOTERIC RECORDINGS ECLEC 2585

今回のリリースに伴い、ボーナストラックなども加えられていません。ブレイクさん的には習作という意味合いがあるようですが、前後作と比較しても遜色のない出来と思います。一発録りという点で音数が少なめではありますが、リズムやベース、バックのパッドなどのシークエンスプログラムは楽曲として作り込まれているので、CRYSTAL MACHINEよりはNEW JERUSALEMの方向性に近い作風です。全8曲中4曲がボーカル、4曲がインストです。ボーカル曲のバラードWaiting For Natiはホークス在籍時にホークスのステージで演奏していた曲です。
ブックレットのライナーノーツは従来通りイアン・エイブラハム氏。
裏カバー 左は92年のMANTRA、右は今回リリースのもの トレードマークのUFOアイコンが使用されているMANTRA盤は使用機材なども記載されていましたがESOTERIC盤には記載がありません

なおこの後は4th THE TIDE OF THE CENTURTY、さらに02年にアンドラの温泉施設カルデアに委託されたヒーリング音楽を収めたアルバムCALDEA MUSIC IIまでも再発され、ソロワークスが全網羅される予定。

ホークウインド2017年最新スタジオアルバム INTO THE WOODS 最速レビュー

公式では5月5日発売予定とされていますが、このところCHERRY RED RECORDSのリリースは、発売予定日よりも早く日本に入荷するので、前作の入荷が早かったタワレコでチェックしていたところ、早くも先週に最新作INTO THE WOODSのアナログ盤のみ入荷しました。23日現在、CDはまだ入荷していないとのことでした。

2枚組LPレコードのカバー CHERRY RED RECORDS BREDD700

それにしても早いです、英国内の出荷より輸出分の出荷を優先しているとしか思えません。
今作は、CD1枚とLP2枚組の2バージョンというシンプルなリリース形態です。

まずクレジットを見ると参加メンバーに変化があり、なんとナイル・ホーンの名前がありません。今年の3月、4月のステージの様子がYoutubeに上がっていますが、ナイルは不参加の模様。以下メンバークレジットです。
Dave Brock Vo/Gt/Key/Syn/Theremin
Haz Wheaton B/Key
Richard Chadwick Dr/Perc/Vo
Mr Dibs Vo/Key/Syn
Magnus Key/Gt
Big Bill Barry Fiddle

Mrディブスは、ボーカル2曲、キーボードで2曲という、控えめな参加となっていますが、ステージにも参加しています。
キーボードのマグナスという人の詳細は不明、THE ENIDやS.ハケットバンドに在籍していたニック・マグナスという線も(ソロアルバムがESOTERICからリリースされている)考えましたが、多分違います。
Youtubeに上がっている映像を見ると、若手のキーボードプレイヤーがナイル・ホーンに代わってステージに上がり、ギターも弾いているので、それがこのマグナスという人の可能性が濃厚。この人とフィドル(バイオリン)プレーヤーがゲストっぽい感じですが、今後パーマネントなメンバーになるのか、いずれ判明するかと思います。

見開きカバーの内側

クレジットには、マシーン・ストップスの続編的なものと記載されているこのアルバム、上記の参加メンバーの基本ユニットであるブロック/ウィートン/チャドウィックのトリオが核になったシンプルなロックバンドとしてのソリッドな演奏が最大の特長。
前作までの緻密な音作りや効果音を含む印象的な情景描写は、今となってはホーンの果たす所が大きかったと思われます。
新加入のベーシスト、ハズ・ウィートンの繰り出すフレーズと強いドライブ感が本国のファンには好感を持って受けいられていますが、そのウィートンのスタイルが今作の肝となっています。当然ホークスのお家芸である乱れ飛ぶ電子音やプログレっぽいパッド音も使用されていますが、それらの印象が弱くなるほど、パワフルでソリッド感のある演奏が全体を支配しています。ウィートンのプレイが結果ブロックを刺激したとも考えられます。
年々、多くの伝説的プレイヤーが亡くなっていく昨今、ブロックやニックについても、いつそんな時がきてもおかしくない年齢ですが、この最新作はデイヴ・ブロックの堂に入ったロッカーとしてのアグレッシブな姿勢が力強く示されている力作で、世界中のファンにとってまた嬉しいプレゼントになると思います。

オープニングは、前作の最後に現れた悲哀感のある印象的なパッセージに似たアコピの演奏から始まり、アルバムコンセプトが前作の続編であることを告げます。14秒ほどで突如ミドルテンポの重い5拍子リフが開始。1分強の長いイントロでウィートンのベースの牽引力を感じさせます。リードボーカル、一瞬これ誰?と思いますが、すぐにブロックだと気がつき、エフェクトを通した濁声でハード感を増長しています。緑の森の奥から手招きをするおどろおどろしい森の精を演出しています。中間部のワウをかけたブロックのギターソロもかなり荒々しい。
前作THE MACHINE STOPSの原作には続編はありませんので、今作はホークスの解釈による続編ということになります。アルバムカバーは森の中のストーンサークル、ジャケ内側には緑に覆われた都市の情景が広がっています。前作のエンドでテクノロジーの崩壊を経た世界がその後、自然力によって緑に覆い尽くされ、そこには人間を超越した自然のスピリッツが支配する世界となった、というようなストーリーかと思います。
6分過ぎでオープニングトラックはフェードアウト、続いてスローテンポの寂寞感のあるバラードCottage In The Woods、引き続きブロックのペンによる曲、森の中のコテージに囚われた人間が歌われます。3分ちょっとで、続くインストThe Woodpecker、チャドウィックによるキツツキをまねた効果音が印象的。そしてブロック/ウィートン/ディブス/チャドウィック共作のHave You Seen Them? ボーカルはチャドウィックとディブス、曲調が少し明るくなり高めの声域を生かした流れるようなコーラス、しかしリズムは重く引きずり、ハードリフが続きます。ミドルテンポながらホークスらしく反復に電子音、コーラスが戻り不意に終了、7分強。
アナログ盤ではここでA面終了。
しかし入荷の関係とは言え、新作をアナログ盤から聴くっていうのは、実に久しぶりな体験です。このレコードを裏返すという作業がまた次はどんな曲が?ワクワクします。CDだと一気に聴ける良さがありますが、この面を裏返す時の感覚はやはりいいものです。

Ascentはストリングスのパッド系サウンドをバックにブロックがスローに歌い上げます。アコギがバックで奏でられ美しい肌触り、ここでもベースは骨太く演奏されスローながら締まった印象。最後アコギだけになり終了。続いて上昇シンセ音に導かれたメロディアスなナンバーSpace Ship Blues。シルバー・マシーンのレプリカソングのような歌詞で、バンジョーやバイオリンがフォークロックさながら楽しく演奏されていきます。クロスフェードする形で次曲The Windの森の中の効果音が入ってきます。ブロックの朗読。多彩なパーカッション群、森の動物、鳥類の声、中間から反復リフ、リズムだけが残り、次第にフェードアウト。

C面に移り、いきなり元気よくハイテンポなVegan Lunch。ベジタリアンなランチをブロックがノリ良く歌う曲、中間部の流れるような間奏が美しい。4拍子ながらシンコペを使ったリフと流れるような進行部分との対比が楽しいトラック。続いてシンセの高速アルペジオの上でブルースが展開するMagic Scenes。泣きの強い曲ですがストリングスに頼らず、ギター中心に盛り上げています。シンセアルペジオが残り、その後アコギのアルペジオが主役となり泣きのコード進行が続くDark Land。ここでもパッド音は脇役で主体はギター。

D面は木の精を歌ったWood Nymph、流麗なAメロに対して、Bメロは重々しいリフ。ブロックらしい展開。森の効果音にディブスのつぶやき、Deep Cavernというタイトル通り、暗い森の洞窟を思わせます。
エンディングはハイテンポで疾走、その名もMagic Mashrooms。3ピースの演奏とオルガンによるタイトな演奏。中盤のリフがDuglas In The Jungleを思い起こせます。しかしブロックさん、今回は弾きまくってます。
最後ディストーションギターがかぶって終了、歓声が入ってきてライブ風演出。長めでシリアスに攻め立てた曲ですが、拍子抜けする効果音が。これはアルバムを聴いてみてください。

白の穴開きスリーブ ビニールは最近定番の180g仕様

専任のキーボディストがいないこともあるかと思いますが、トリオの演奏が主役となり、ブロックがギターに徹したことで、このアグレッシブさが出たと思います。前作はアレンジや音色の多彩さが特長的で、今回はタイトでストイック、ロックバンドらしい印象で、好みによって評価が分かれそうです。
まぁでも、個人的にはブレイクさんには戻ってきてもらい、冷ややかなストリングスと派手な電子音はつけてもらいたいですが。
カバーは内容のパワフルさに対して地味で落ち着いてますので、マッチングは良くないです。近作を手がけるマーティンM作です。
アナログ盤とCD盤は同内容みたいです。CDも入手しましたらレポートします。

HAWKWIND / INTO THE WOODS
CHERRY RED RECORDS / BREDD700
Produced by BROCKWORLD
Engineer : DAVE BROCK

SIDE 1
1. INTO THE WOODS -Brock
2. COTTAGE IN THE WOODS -Brock
3. THE WOODPECKER -Brock/Chadwick
4. HAVE YOU SEEN THEM? -Brock/Wheaton/Chadwick/Darbychire

SIDE 2
1. ASCENT -Brock
2. SPACE SHIP BLUES -Brock/Wheaton/Chadwick
3. THE WIND -Brock/Chadwick/Wheaton

SIDE 3
1. VEGAN LUNCH -Brock
2. MAGIC SCENES -Brock/Chadwick/Wheaton
3. DARKLAND -Darbychire

SIDE 4
1. WOOD NYMPH -Brock/Wheaton/Chadwick
2. DEEP CAVERN -Darbychire
3. MAGIC MUSHROOMS -Brock/Wheaton/Chadwick
タワレコでINTO THE WOODSを見る

ティム・ブレイク 初期ソロ2作リマスター・レビュー

ESOTERIC RECORDINGSレーベルの公式サイトでは3/31リリース予定とされていましたが、3月初旬から国内に入荷してます。いずれも当時新興レーベルの仏EGGからリリース、日本でもキングレコードから発売されたので、比較的知られている作品。
CDは仏のMANTRAから発売され、その後英VOICEPRINTが権利を獲得しCD再発、日本ではヴォイスプリント・ジャパンから発売されました。今回、ホークス再発を推進しているESOTERICのマイク・パウエル氏によりリマスター、ボーナストラック追加にてリリースされました。解説はホークスのバイオ本を手がけるイアン・エイブラハム。クリア・ウォータープロダクションでサウンドエンジニアをしていた時に、ニックとディクミクにその才能を見出されたなど、当時のエピソードが紹介されています。

今回リリースされた2枚は、日本では79年、折からのシンセサイザーブームに乗ってキングレコードがEGGレーベルの権利を獲得し、そのカタログを続々とリリース。プロモーションの目玉としてブレイク本人が招聘され業界関係者向けのエキシビションギグも行われました。

この頃はレーザー光線技師のパトリス・ワレンナーと組み、クリスタル・マシーンと名付けたプロジェクトでライブ活動を行い、時代の先端を走っていたという印象がありました。1stアルバムは、76〜77年のクリスタル・マシーンのスタジオテイク、ライブテイクを集めたもの。シンセベースのシークエンスの上でシンセソロのアドリブが展開されるという、T.ドリームやK.シュルツェらジャーマン系シンセミュージックと同傾向の作品。ブレイクの曲調はそれらよりも繊細で軽やか、メロディアスな感触。リズムはリズムマシーンやシンセのトリガーを使っており、ドラムレス。3曲目Last Ride Of The Boogie Childで本人のリードボーカルが聴けますが、それ以外はインスト。なおアナログ盤の仏EGG原盤はB面最終曲の最後、シンセの持続音エンドレスになっています。ボーナストラックは、76年仏ISADORAレーベルからSARATOGA SPACE MESSENGERS名義でリリースしたシングルSurf、ボーカル入りでポップ調、晩年のR.カルバートの曲調に近いもの。それにEGGからの78年にリリースしたシングル SYNTHESE INTEMPOREL の両面曲。アルバム本編と同傾向の曲。

続く2作目 BLAKE’S NEW JERUSALEMは、アルバム冒頭ブレイクのアコギ弾き語りから開始され一瞬驚きますが、全体にボーカルの使用が増え、楽曲もメロディーの美しさを打ち出したアルバム。前作に比較して、歌ものが目立つメロディアスな作品。盲目のキーボードプレイヤー、ジャン・フィリップ・リキエルがミニモーグで参加しています。ジャージーなセンスを持ったプレイヤーで、その手のミニモーグソロは彼によるもの。
2曲目のLighthouseはホークスのLIVE79でも演奏されているので、お馴染みですね。翌79年にホークスに参加する際の契約の決め事の一つとして、この曲をステージで披露するという条件だったそうです。LIVE79ではブレイクの独演でしたが、その後アレンジが加えられCOMPLEAT’79では後半リズムセクションが入ってくるようになり、G.ベイカー加入後は頭からドラム叩くアレンジになりました(公式アルバムには収録がなくブートで確認。ベイカーとブレイクが一緒の期間は短く、その時期のステージテイクは公式リリースされておらず、ブート聞くとかなり良いので残念)。
アナログ盤ではB面全体で1曲のタイトルナンバーがハイライト。ボーナストラックは、78年同EGGよりリリースされたシングルGenerator LaserbeamのB面曲The Woodland Voice。同時期の79年にリキエルと一緒に制作したWATERFALLS IN SPACEというカセットテープアルバムから2曲収録。From Outer SpaceはLighthouseをモチーフに19分にも及ぶ曲、Jupiter To JerusalemはNew Jeruslaemのオルタネイト版という感じ。この時期のブレイクの別の側面が伺い知れる興味深いテイクです。余談ですがリキエルは昨年(’16)他界した、あのデザイナー、ソニア・リキエルの息子です。

ジュエルケースにピクチャーレーベル

引き続きESOTERICからは、3rdアルバムMAGICK(’91)、4thアルバムTHE TIDE OF THE CENTURY(’01)がリマスターリリースされます。NEW JERUSALEMでのボーカル曲路線の方向の作品で、クリアなシンセの響き、メロディアスで叙情的な作品群です。私的にはNEW JERUSALEM、TIDE OF CENTURYが特に好きな作品です。

ティム・ブレイクの作品群再発

昨年、ホークスのアルバムを再発している CHERRY RED RECORDS の ESOTERIC RECORDINGS レーベルより、ホークスのキーボード奏者、ティム・ブレイクのソロアルバムのリリースが告知されました。
ロンドン生まれのブレイクは69年にホークスがグループXというバンド名でデビューしたステージのサウンドクルーで、のちに GONG に加入、絶頂期のレディオ・グノーム・インヴィジブル3部作でスペイシーなシンセをプレイ。GONG 脱退後は、ソロアーティストとして、フランスのEGGレーベルより2枚のアルバムをリリース。いずれも、ヨーロピアンな感性、叙情性とスペイシーなシンセワークが特徴の佳作。シンセサイザー音楽がブームだった日本でも発売、EGGレーベルのプロモーションの一貫で、78年に日本で関係者向けのギグも実施しています。
翌79年に新生ホークスに参加、当時のバンドの躍進に一役買うも、プライベートのゴタゴタで80年に脱退、その後ソロ活動を続けていましたが、2007年にホークスに復帰、それから2015年まで所属しホークスの日本ツアーにも参加。昨年からソロ活動に力を入れたいとホークスにはフル参加していません。前作 THE MACHINE STOPS には不参加ながら、ステージによっては参加しており、正式な脱退ではないようです。
デイヴ・ブロックとの信頼関係は強く、79年のホークス参加時のプレイがファンには好評で、再復帰時には大変歓迎されたりとホークスメンバーでは重鎮の一人。

そのブレイクの作品の再発情報 ESOTERIC RECORDINGS の公式サイトに詳しく掲載されました。
まずは EGG レーベル時代の2枚、CRYSTAL MACHINE (77)と NEW JERUSALEM (78)です。その後、MAGIC (91)と TIDE OF CENTURY (01)の再発も予定しているとのこと。
EGGからの1stアルバム CRYSTAL MACHINE は当時のブレイクとレーザー光線技師パトリス・ワレンナーとのユニット名でもあり、アルバムジャケットに象徴される当時のステージを収録したものです。ほぼインストルメンタル中心。
2ndアルバムの NEW JERUSALEM はスタジオ録音、自らリードボーカルをとった最初の作品で、アコギもプレイ。スペイシーな作風にメロディアスで叙情性も加味された作品。Lighthouse や アルバムタイトルナンバーはホークスのステージでも演奏されました。

今回のリマスターでは、それぞれ3曲ずつ貴重なテイクがボーナス追加されています。70年代のシングル曲、デモテイクなどが初CD化。
CRYSTAL MACHINE:
76年 SARATOGA SPACE MESSENGERS 名義で発表されたシングル曲 Surf
78年スペインでリリースされたシングルA/B面 Synthese Intemporel I と Synthese Intemporel II

NEW JERUSALEM:
78年シングル Genelator Laser Beam のB面曲 The Woodland Voice
79年ブレイクとジャン・フィリップ・リキエル(NEW JERUSALEM にも参加した鍵盤奏者)の連名によるカセット WATERFALLS FROM SPACE 用デモテイク From Outta Space と Jupiter To Jerusalem

発売は3月31日の予定です。

ホークウインド 2017年最新アルバム INTO THE WOODS 5月5日発売!

ホークスの最新作 INTO THE WOODS ですが、CHERRY RED RECORDS より、2017年5月5日発売とのアナウンスがありました。
新作は昨年のスマッシュヒット(全英30位)となったアルバムの続編的な意味があるとのこと。
タイトルから連想されるように、テクノロジー依存からの回避としての自然回帰的な意味があるように思われます。
この3月に英国内3カ所のミニツアーも GLIMPSE INTO GREENESS (緑をかいま見る)と題されています。
アルバム収録曲は以下で、やはり森から連想するようなタイトルが多いです。
以前紹介しました断片的な試聴曲を聴く感じでは、従来路線は踏襲されています。

Into The Woods
Cottage In The Woods
The Woodpecker
Have You Seen Them
Ascent
Space Ship Blues
The Wind
Vegan Lunch
Magic Scenes
Darkland
Wood Nymph
Deep Cavern
Magic Mushroom

なお、バンドは4月に地元デボンで二日間にわたる自前の恒例フェス HAWKEASTER を実施。
その後、新作リリースに合わせたツアーを5月中旬から実施、その中ではカムデンのラウンドハウスも含まれています。かつて72年に GREASY TRUCKER’S PARTY として実施されたギグで、あのSilver Machine が収録されたホークス史上エポックな場所です。ここで演奏するのは、あの日以来とのことで、45年振りということになります。

あと2年もすれば、バンド結成50周年を迎えるんですね。にもかかわらず、2年連続で新作を発売し、ツアーやフェスの主催を続けるホークス、実に頼もしいですね!

Hawkwind バイオ本 SONIC ASSASSINS Kindle版リリース

イアン・エイブラハム氏による、ホークウインドのバイオグラフィ本、SONIC ASSASSINS の増強改訂版がついにリリースされました。まずはKindle版からのリリースで、日本のAmazonでも入手可能となっています。
初回版は2005年のリリースでしたが、その後一度改訂版を出し、そこで終了かと思っていたのですが、なんと十年越しで、修正、加筆、画像追加がなされているとのこと。
今後、通常のハードバックの書籍も発売予定とのこと。
各メンバーへの綿密なインタビューにより、それぞれの立場からのホークスを浮き彫りにした内容で、ホークスを知る上で大変重要な資料です。
デジタル版だととてもリーズナブル。
ハードバック本は3000円くらいになるかもしれませんね。
(追記 2017/1/30)その後、書籍版はペーパーバックでリリースされました。

Hawkwind 最新スタジオアルバム Into The Woods

昨日11月24日は、44年前の同じ日、名作 DOREMI がリリースされた日でした。

本年リリースの THE MACHINE STOPS のツアーの後、6〜7月にフェスに参加、以降はしばらくギグの予定がなかったのですが、facebook のオフィシャルアカウントで新作制作中との告知がありました。INTO THE WOODS というアルバムタイトル、一部抜粋が公開されています。
制作は順調に進んでいるようで来年早々にはリリースとのアナウンス。
スタジオのスナップ写真には新ベーシストのハズ・ウィートンの姿も。
それにしてもこのタイトル、ディズニー映画のそれか、ブロードウェイミュージカルの同タイトルかって、感じですが、まったく関係ないのか今のところ不明です。いずれにしても「森の中へ」の森が何を指しているのか、自然回帰的な方向は以前もありましたので、そちらのような気もします。
下記一部抜粋部分を聴くと、従来通りのサウンドです。


ニック・ターナー来日公演 東京2日目レビュー

nik02未だ興奮が冷めやらぬ10/15(土)の2日目の状況をレポートします。
観客の入りは多少増えており50人くらいでしょうか、やはり昨日のレポートで知ってこられたりとか、知ったのが直前で調整できなかったなどのお話を聞きました。
nik01
セットリストは初日とほぼ同じですが、終盤の数曲がバンドのセットリストにありながら演奏されなかった昨夜でしたが、2日目はきっちりやってくれました。曲間のMCを初日より減らし、その分演奏時間をとったようです。
初日は、ニックのボーカル、サックスが聞き取りにくい場面もあるバランスでしたが、2日目は改善されていました。
このユニットはまだ新しいので、日々進化している途上にあると思います。そのため、初日よりも色々な面で変化、一体感やバランスが向上していました。開演前に暗幕のかかったステージで10分くらい音合わせをしていました。本番でやる曲ではなくキー合わせてのジャムセッションで、手慣らしという感じでした。
2日目ということで少し冷静に観ましたが、バンドは同期クリックを聞いていませんので、演奏の合わせはメンバー間のコンタクトで行う生バンドらしい緊張感があり、その中でニックさんは笑顔を交えながら動ずることなくプレイ、百戦錬磨な貫禄でした。nik05nik08nik04

前日のレビューには書きませんでしたが、やっぱりダンサーの存在が大きく、これがあることでの演奏全体の醸すムードが実にらしく、観ている方もよりのめり込むことができると実感しました。昨年の本家来日では予算の都合でしょうかダンサー不在でしたので、その差を感じました。これに電子音があれば、、とは思いますが。

セットリストは、まずは昨晩通りの順で進みました。
Welcome
Born To Go (HAWKWIND/SPACE RITUAL ’73)
Watching The Grass Grows (INNER CITY UNIT/PASSOUT ’80)
Cybernetic Love (PROPHETS OF TIME ’94)
Fallen Angel STS-51-L (SPACE GYPSY ’13)
Sonic Savages (SPACE RITUAL/OTHER WORLD ’07)
Walking Backwards (SPACE RITUAL/OTHER WORLD ’07)

と続き、
Time Crypt (SPACE GYPSY ’13) 昨夜に引き続き、歌詞の書かれたメモを見ながら歌うニック。
D-Rider (HAWKWIND/HALL OF MOUNTAIN GRILL ’74)エンジェルの絶唱が冴えていました。前日より明らかに聞き取れました。
ここまでは昨夜と同じ。

Jam Session 1
ここでジャムセッション風の4分程度のジャズナンバーの演奏。バンドの演奏力の幅を感じさせ、特にベースのG.スマートの演奏が効いてます。

この後は昨夜の順に戻ります。
Sttepenwolf (HAWKWIND/ASTOUNDING SOUNDS AMAZING MUSIC ’76)
Solitary Ashtray (INNER CITY UNIT/PASSOUT ’80)
Orgone Accumulator (HAWKWIND/SPACE RITUAL ’73)
Children Of The Sun (HAWKWIND/IN SEARCH OF SPACE ’71)
Master Of The Universe (HAWKWIND/IN SEARCH OF SPACE ’71)
間髪入れずに

Brainstorm (HAWKWIND/DOREMI FASOL LATIDO ’72)
ダンサーのエンジェルに対してのエンジェルコールもあり、本人は嬉しそうでした。衣裳は曲ごとに用意していて本気度がすごかったです。
そしてメンバー紹介を経て、

Dangle From The Angle (NIK TURNER’S KUBANNO KICKASSO ’03)
原曲が9分くらいありますが同様の長さで楽しげなジャムを繰り広げます。ベースソロ、ドラムソロ、サックスからフルートに持ち替えるニック。

そして、いよいよ
Silver Machine (HAWKWIND ’72)
歌詞はイントロからニックが独自にボーカルかぶせていくニックバージョン。演奏は延々引き伸ばして、サビの I Got A Silver Machine をハンドマイクをフロントローの観客一人一人に差し出し歌わせていました。

ここで終了しそうなニックに、まだ次の曲ありますって感じで、ゲイリーやスティーヴがニックに耳打ち。これも昨夜やれなかった
Something’s Not Right (SPACE GYPSY ’13)

観客のmoreコールを受けてのラスト1曲はロックロール。ニックはこういう時、本当に楽しそうですね。
Jam Session 2
サンダーライダーとしてスペースロックの権化のような存在ですが、元はチャーリー・パーカーやコルトレーン、マイルス、ジェームズ・ブラウンなどにシビれているので、出自を感じさせる瞬間です。

<参考>ニックのフェイバリットアルバムの記事

Prophets Of Time: Nik Turner’s Favourite Records -THE QUIETUS 2016/03/23

96年の初来日同様、ショーマン、情熱、観客への感謝とサービス、そして音楽を愛するというニックらしさが存分に感じられるステージでした。
今夜の大阪公演もきっと素晴らしいステージになると思いますので、西日本の皆様は楽しんできてください!Stay High!!!
nik06nik09
<御礼>
今回、色々なファンの方に声をかけていただいたり、メールをいただきました。いつも読んでいてくださりありがとうございます。そしてホークスやニックのファンであり続けていらっしゃる皆様の熱い想いを共有できて嬉しかったです。
今後ともよろしくお願いします!

ニック・ターナー来日 東京初日レビュー

nik02新宿MARZで行われている NIK TURNER NEW SPACE RITUAL の公演、昨夜のレポートです。
売れ行きが良くない予感がしていたのですが、平日夜ということもあってか、やはり観客は少なく50人いない感じでした。今夜は土曜日ですし、私が購入したチケットの通し番号的に、今夜はもっと多いと思われます。
MARZは箱としては大きくないので、前の方はそれなりに観客がいましたが、逆にゆとりを持って観れました。

物販は予告通りTシャツのみ。小型缶バッジ(好きなの選ぶ)が付きます。これを購入すると公演後のサイン会に参加できます。

niktshirt1

東京と大阪公演も記載されています。非常階段も載っていて良いですね。
東京と大阪公演も記載されています。非常階段も載っていて良いですね。

他にも種類あり
 缶バッジは他にも種類あり

バンドは予想通り現在の欧州組のメンバーですが、今回シンセ奏者は不在で、ギター、ベース、ドラムのトリオにニックという編成、それにダンサー。

サックス/フルート/ボーカル Nik ‘Thunder Rider’ Turner
ギター Steve Jones
ベース Gary Smart
ドラム Charlie Scarr
ダンス/ボーカル Ms Angel

バックの3人は若く、ドラムのチャーリーは爽やかな感じの青年ですが、リズムキープはとても安定してました。ギター小僧のスティーヴはクールな感じの青年、ベースのゲイリーは結構テクニカルな演奏でしたが、後半手首が腱鞘炎気味とのことで少し辛そうでした。3人ともホークス初代より3世代くらい若いので、祖父と孫って感じのムードで、ニックがセトリ読めない時はメンバーが教えてあげたり、ギターやベースソロを見つめるニックが、孫を微笑ましく見守る祖父よろしく、ほのぼのしてました。このトリオが若いだけあって、パワフルで全くだれずに突き進みます。パワー全開ゴリ押しのロックですが、リズムの安定とベースフレーズが凝っているので、クールでキレがあるところが良かったです。

アンダーソン、スラットリー、クランブル、オリスと順にオールドメンが、次々に抜けていった SPACE RITUAL ですが、結果的に若返りしてICUの初期のようなポジティブでアクティブな力を発揮することになったということです。ニックの公式サイトでは、BRAND NEW SPACE RITUAL と呼んでいますね。

セットリストにもそのことが反映しており、北米ユニットのように「宇宙の祭典」再現的な形ではなく、ICUの初期ナンバーを取り上げたり、近年の新作からの選曲、もちろんホークスの名曲など、ニックの経歴を綴った形になっていて、私個人的には意外な反面とても嬉しいセトリでした。ホークスを引きずったニックより、自身の活動をメインに披露する方が絶対良いと思っていますので。直前まで日本向けにホークスナンバー大サービスかなぁと思ってましたし。
他のお客さん達も96年の時のようにホークウインドコールはしていませんでしたので、それもニックに対する理解の表れかと思います。
nik01
ニックさんはノーメイクでしたが、少し腰が弱ったかなという感じですが、2時間半に及ぶステージは立ちっぱなしでした。いまだに長髪で前髪が薄くなっていても、格好良かったですね。実に楽しそうに演奏してました。

セットリスト
Welcome -導入部分の語り。
Born To Go -言わずと知れた名曲。

Watching The Grass Grows -ICUの名曲。32ビートのスピードチューン、今ユニットの元気さが発揮されてました。

Cybernetic Love -あの PROPHETS OF TIME (94)の小曲、よりハードに演奏時間も倍くらいに伸ばされています。

Fallen Angel STS-51-L -2013年に久々にリリースされたソロ SPACE GYPSY のシングルカット曲、これもかなり激しいアレンジで、最初何の曲かと思いました。

Sonic Savages -これはオールドメンによる SPACE RITUAL のスタジオアルバム OTHER WORLD (07)から。原曲はシンフォニックな印象もありましたが、強烈なロックになってます。

Walking Backwards -同じく OTHER WORLD のラストナンバー。

Time Crypt -原曲は SPACE GYPSY に収録され、サイモン・ハウスのバイオリンが入っていましたが、やはりこのユニットだとハードな印象に。ニックさん、この曲だけ歌詞かんぺ見てました。

D-Rider -ここまでゴリ押しで来たので、この名曲 HALL OF THE MOUNTAIN GRILL (74) ニックに加えてエンジェルもボーカル。ニックさんのフルートが印象的。10分以上に引き伸ばされています。

Sttepenwolf -続いて ASTOUNDING SOUNDS (76) のカルバート曲。イントロからのギターリフがだいぶ違うので、これも最初何だろうと思いました。延々12分くらいに引き伸ばし。

Solitary Ashtray -ICUの80年デビューシングル曲。これは珍しいファニーな曲。

Orgone Accumulator -カルバート作の人気曲。やっぱりオールドナンバーは盛り上がります。

Children Of The Sun -探求のあの曲。途中エンジェルがLEMMYと書いた白い翼を掲げます。

Master Of The Universe -SAPCE RITUAL!というニックの掛け声で、自身作曲の名曲。観ているこちらもだいぶ疲れてきてますが、リズム隊は衰え知らず。

最後にメンバー紹介、合わせてビニールジャパンの中谷代表への謝辞。

そして Brainstorm -もう何も言うことないですね。

舞台袖には一回も戻らずにアンコール的にやった曲は
Dangle From The Angle -これはニックの別働隊のFANTASTIC ALL STARS のアルバム NIK TURNER’S KUBANNO KICKASSO (03) に収録されているオリジナル曲。ラテンジャズナンバーをロック風にして、ベースソロを入れたり、楽しく演奏。

ここで2時間半ですので、ベールのゲイリーの手首の調子もあり終了しましたが、お腹いっぱいの満足感です。セトリにはシルバーも入ってましたので今夜はやりそうですね。

一人一人丁寧にサインしたり写真撮影に応じるニックさん、人柄の良さがにじみ出てました。サインにはニックがよく使う Stay High と言いながらそのフレーズも書いていただき、嬉しかったです。

また今晩も楽しみで仕方ありません!
当日券ありますから、行ける方は絶対行きましょう!

ニック・ターナー来日直前特集!ニックの足跡

いよいよ週末に迫ってきましたニックの来日公演。ここでホークス脱退後のニックの諸作品を振りかえり、その足跡と功績を再認識し、ギグに備えたいと思います。
今回のステージでは、おそらく「宇宙の祭典」収録曲が中心になると思いますが、ニックのスタジオ制作の諸作品は基本的に新規のオリジナルです。
個人的にはオリジナル作品の出来もよいと思うので、もっと注目&評価されるべきかと。しかし聴衆はホークスのニックを期待してしまうので、ステージではホークスナンバーオンパレードになり、アルバムもそのステージを収録したものが注目されがちです。
各作品の再評価の期待を込めつつ、ニックの活動と諸作品を俯瞰します。

ホークスのASTOUNDING SOUNDS, AMAZING MUSIC(76)リリース後のツアーが一段落した際、メンバー間のゴタゴタでニックはアラン・パウエルと同時にホークスを脱退。人間関係に嫌気がさしたとか、ドラッグで調子悪かったなどと本人は言ってます。アランとはその後も時折活動を共にすることになります。

NIK TURNER’S SPHYNX / XINTODAY (78)

XINTODAY CHARISMA CDS 4011 (1978)
XINTODAY (CHARISMA CDS 4011) (78)

1978年カリズマレーベルからリリースされた1stソロアルバム。
古代エジプトの神々やピラミッドなどの遺跡の神秘を探るコンセプトで制作され「死者の書」を題材にオシリス神のストーリーをテーマにしています。フルートの演奏はギザの大ピラミッドの王の間にて収録された素材を使用。
のちにその経緯は明らかになりますが、ホークス脱退後、知人の誘いでエジプトにバカンスに訪れたニック。夜、ピラミッドの頂上に立ちフルートを吹いたその時に、滅多に降らない雨が降ってきたという神秘的な体験が創作のモチベーションになったそうです。王の間でのフルート録音は、現地のガイドにお金握らせて3時間ほど他の観光客を遮断して行ったそうです。

ニック・ターター/スフィンクス(日本フォノグラム RJ−7506)
ニック・ターター/スフィンクス(日本フォノグラム RJ−7506)

プロデュースはゴングのスティーヴ・ヒレッジでギターもプレイ、その他ゴング勢としてミケット・ジローディ(Syn/Vo)、ティム・ブレイク(Syn)、マイク・ハウレット(B)、アンソニー・フィリップスとの共演でも知られるハリー・ウイリアムソン(Pf/Gt)が参加。多彩なパーカッション陣に BRAND X のモーリス・パート、ホークス関連ではアラン・パウエルがコンガで参加。
ホークスでの喧騒と宇宙的ノイズサウンドとは異なり、全体にアコースティックな音の感触。シンセもかなり使われているのですが、フルートの幽幻な響きや土着的なパーカッションなどの繊細な音の響きを大切にしたヒレッジのプロダクションが、安易な電子音の洪水にならず、控えめながら奥行きのある音世界が構築されています。
カバーアートはバーニー・バブルスが担当し、ブックレットが付属していました。
国内盤は日本フォノグラムからリリース、横尾忠則の紹介文が帯やライナーに、阿木譲のライナーなど、当時のSFやシンセミュージックのブームにのせようと力を入れている感じです。

このアルバムはなかなかCD化されなかったので、93年にニックはLAのバンド PRESSUREHED と再録を行い、CLEOPATRA から SPHYNX というタイトルでリリースされました(後述)。

NIK TURNER'S SPHYNX / XINTODAY (NIKTCD333) (97)
NIK TURNER’S SPHYNX / XINTODAY (NIKTCD333) (97)
ニック・ターナーズ・スフィンクス/エキサイティントゥデイ (Arcangelo ARC-7173) (2006)
ニック・ターナーズ・スフィンクス/エキサイティントゥデイ (Arcangelo ARC-7173) (2006)

その後、本アルバムのCD版はニックの自主制作に近い形で97年にリリースされ、その後2007年に Esoteric Recordings の前身 Eclectic Discs からメジャーリリース、その国内盤は ディスクユニオンさん の Arcangelo レーベルから発売されました。

このアルバムをリリース後、NIK TURNER’S SPHYNX としてギグやフェスなどで演奏を行っていましたが、その頃の様子は2000年にリリースされた以下のCDで断片的ではありますが垣間聴くことができます。

NIK TURNER OF HAWKWIND / LIVE AT DEEPLY VALE FREE FESTIVAL 1978 (OZIT-MORPHEUS RECORDS OZITCD 0053) (00)
NIK TURNER OF HAWKWIND / LIVE AT DEEPLY VALE FREE FESTIVAL 1978 (OZIT-MORPHEUS RECORDS OZITCD 0053) (00)

NIK TURNER OF HAWKWIND / LIVE AT DEEPLEY VALE FREE FESTIVAL (00)
78年にヒレッジや HERE AND NOW などと参加した DEEPLY VALE FREE FESTIVAL での演奏やその他フェスなどの演奏が収められています。反復するリズムを演奏するロックバンドをバックにフルートやサックスを演奏、ジャムセッションのような感じです。サウンドボードからのテイクですがモノラルです。

またこの頃、THE POLICE の前身バンド STRONTIUM 90 の関連で、GONGのM.ハウレット、H.ウイリアムソンの企画した反核ソング Nuclear Waste 制作のためスティング、ヒレッジなどと FAST BREEDER & THE RADIO ACTORS に参加。スティングのボーカル曲でサックスを吹いています、

INNER CITY UNIT
80年に入ると、ニック自らのバンド SPHYNX をパンクロックバンド INNER CITY UNIT に変貌させます。T−REXにいたスティーヴ・ペレグリン・トゥックのバンド Steve Took’s Horns が解散したところ、そのメンバーに声をかけ結成。トレヴ・トムス(Gt)、デッド・フレッド(key)などのメンバーとともにアグレッシブなポストパンクを演奏。1stアルバム PASS OUT を80年にリリース。

INNER CITY UNIT / PASSOUT (RIDDLE RID002) (80)
INNER CITY UNIT / PASSOUT (RIDDLE RID002) (80)
S.トゥックはICUのギグに客演していましたが同年ドラッグで若くして逝去。アルバム収録の Watching The Grass Grow はその後復帰するホークスでも取り上げる曲、その他 Master Of The Universe などのホークス曲もカバーしています。

翌年2ndアルバム The Maximum Effect を発表。同年12月にニックがホークスのステージに客演、82年中頃からは完全復帰、ICUと並行して活動。

INNER CITY UNIT / THE MAXIMUM EFFECT (AVATAR AALP 5004) (81)
THE IMPERIAL POMPADOURS / ERSATZ (POMPADOUR POMPOD1) (82)
THE IMPERIAL POMPADOURS / ERSATZ (POMPADOUR POMPOD1) (82)
ロバート・カルバートとの活動も行なっており、IMPERIAL POMPADOURS というプロジェクトでもアルバムをリリース。いずれのアルバムも先鋭的でアグレッシブなもので、パンクやガレージのルーツとしての面目躍如。

83年にはICUのデッド・フレッド(Key)もホークスに参加することになります。84年には3rdアルバム Punkadelic をホークスの当時のリリース元 FLICKNIFE レーベルに移し発売。84年にはフレッドがホークスを抜け、85年にニックも抜けます。その後ICUはギタリストをスティーヴ・ポンドに変更し、New Anatomy (85)、The President’s Tapes (85)とリリース。

INNER CITY UNIT / PUNKADELIC (FLICKNIFE SHARP 103)  (82)
INNER CITY UNIT / PUNKADELIC (FLICKNIFE SHARP 103) (82)
INNER CITY UNIT / NEW ANATOMY (DEMI MONDE DM001) (84)
INNER CITY UNIT / NEW ANATOMY (DEMI MONDE DM001) (84)
INNER CITY UNIT / THE PRESIDENTS TAPES (FLICKNIFE SHARP 031) (85)
INNER CITY UNIT / THE PRESIDENTS TAPES (FLICKNIFE SHARP 031) (85)

なお、D.フレッドは、2012年にまさかの本家復帰、来日公演に参加していましたね。

様々なミュージシャンとのコラボや自身のジャズバンド NIK TURNER’S FANTASTIC ALL STARS などを率いてのライブ活動を続けます。
92年の英国のフォーク&カントリーSSW、ナイジェル・マズリン・ジョーンズのステージでフルート&サックス演奏、ドラムはVDGGのガイ・エバンスというチームのテイクが後年リリースされています。

PINK FAIRIES とは70年のワイト島をはじめとしてよくジャムを行ってきたので、

MAZLYN JONES AND GUY EVANS WITH NIK TURNER / LIVE (BLUEPRINT BP250CD) (97)
MAZLYN JONES AND GUY EVANS WITH NIK TURNER / LIVE (BLUEPRINT BP250CD) (97)
PINKWIND / FESTIVAL OF THE SUN (TWINK TWK CD2) (95)
PINKWIND / FESTIVAL OF THE SUN (TWINK TWK CD2) (95)
トゥインクとの親交は続いており、93年のフェスには PINKWIND として、トゥインク(Drs)、トレヴ・トムス(Gt)らとホークスナンバーや自身のソロ曲を演奏。95年に TWINK RECORDS より PINKWIND – FESTIVAL OF THE SUN としてリリース。

NIK TURNER / SPHYNX (93)
93年にはLAの新興レーベル CLEOPATRA から、1stソロアルバム XINTODAY のリメイク版を発表。参加しているプレイヤーは同レーベルの PRESSUREHED の面々。ゴシック系やインダストリアル系を得意としている同レーベルのバンドらしく、パワフルなリズム、エッジの立ったギターやシンセの音色で、オリジナルアルバムとは曲順も変わり、ほぼ完全な新作というような内容。アルバム最後にオリジナルアルバムの元になったギザでのフルート演奏のテイクが収められています。

NIK TURNER / SPHYNX (CLEOPATRA CLEO21352) (93)
NIK TURNER / SPHYNX (CLEOPATRA CLEO21352) (93)

この作品の勢いに乗るように、新作 PROPHETS OF TIME を同年年末にかけて制作。前作のメンバーに加え、元ホークスのサイモン・ハウス(Vn)、同じ CLEOPATRA から作品をリリースしてた PSYCHIC TV のジェネシス・P・オリッジ(Vo/Syn)、CHROME のヘリオス・クリード(Gt)などが参加。

さらに翌94年1月から2月にかけて、全米40ヵ所以上にわたる SPACE RITUAL ツアーが実施されました。アルバムのメンバーに加え、デル・デットマー(VCS3)、アラン・パウエル(Perc)らの元ホークスメンバーが参加、ライブレコーディングされます。その名の通り「宇宙の祭典」を再現するような選曲でオーディエンスは熱狂し評判が良く、本家と混同する聴衆も多かったようです。

NIK TURNER / PROPHETS OF TIME (CLEOPATRA CLEO69082) (94)
NIK TURNER / PROPHETS OF TIME (CLEOPATRA CLEO69082) (94)

NIK TURNER / PROPHETS OF TIME (94)
そしてアルバム PROPHETS OF TIME が CLEOPATRA から発表。前作のテイストを引きながら、より力強い作品となりました。

NIK TURNER / SPACE RITUAL 1994 LIVE (95)
95年には前年の SPACE RITUAL ツアーのライブ盤 NIK TURNER – SPACE RITUAL がCD2枚組でリリース。日本ではキャプテントリップレコードが販売。アメリカでのツアーは95年も実施、ここでもライブレコーディングされ、翌96年 PAST OR FUTURE? としてアルバムリリースされることになります。

NIK TURNER / SPACE RITUAL (CLEOPATRA CLEO 9506-2) (95)
NIK TURNER / SPACE RITUAL (CLEOPATRA CLEO 9506-2) (95)
NIK TURNER PAST OR FUTURE? (CLEOPATRA CLP 9685-2) (96)
NIK TURNER PAST OR FUTURE? (CLEOPATRA CLP 9685-2) (96)

前作とかぶる曲はわずかで、「絶体絶命」収録曲や Kadu Flyer などの曲が収められ、ファンには嬉しい内容でした。そのリリース直後に日本公演も実現。

この頃、CHERRY RED RECORDS の企画アルバム A SAUCERFUL OF PINK というピンクのトリビュートアルバムに参加し「ユージン、斧に気をつけろ」をカバー。

HAWK FAIRIES / PURPLE HAZE (TWINK TWK CD5) (96)
HAWK FAIRIES / PURPLE HAZE (TWINK TWK CD5) (96)

95年4月には前述の PINKWIND の変名、THE HAWK FAIRIES としてギグ、これもレコーディングされて96年に THE HAWK FAIRIES – PURPLE HAZE としてリリース、キャプテントリップより国内盤も販売されました。前述の故スティーヴ・トゥックとP.フェアリーズに在籍したギタリスト、ミック・ウエイン(94年に逝去)に捧げられています。

その後もLAの周辺バンド、北欧のバンドなどへの客演が続きます。
フィンランドの DARK SUN はホークスのカバーアルバムをリリースしていますが、ニックが客演しています。

ANUBIAN LIGHTS
ニックは旧ホークスメンとの活動でホークスナンバーを演奏するようになったので、ソロアルバム SPHYNX のアラビアン路線を推し進めていくプロジェクト ANUBIAN LIGHTS を PRESSUREHED のメンバーと始動させます。

ANUBIAN LIGHTS / ETERNAL SKY (HYPNOTIC CLEO 96032) (95)
ANUBIAN LIGHTS / ETERNAL SKY (HYPNOTIC CLEO 96032) (95)

1stアルバムは95年にリリース、アルバム SPHYNX の流れをくむ作風でS.ハウス、D.デットマーも参加。
その後2001年頃までコンスタントにアルバムを発表しました。

ホークスの旧メンバーとのギグを重ね2000年には、H.L.ラントン(Gt)、T.オリス(Drs)、T.クランブル(B)、ロイド・ジョージ(Syn)というメンバーで 2001 A SPACE ROCK ODYSSEY というバンド名でギグを行いました。その後、ラントンが抜け、ミック・スラットリー(Gt)が参加。このような極初期のメンバーとの邂逅などがあり、2000年のリユニオンギグでのメンバー集めでは大変な功労者だったと思われます。リユニオンの実施の裏でギャラの支払いなどのゴタゴタがあり、旧メンバーの大半はニックとの活動を選び、ニックは NIK TURNER”S HAWKWIND と名乗ったりしていましたが、2つのホークウインドの存在はファンが混乱するということで、ブロック側が訴訟し勝訴、その後ニックは SPACE RITUAL をバンド名にすることになります。
2003年にはデイヴ・アンダーソン(B/Gt/Vo)が参加、オリスの息子サム・オリス(Drs)も帯同。

NIK TURNER'S KUBANNO KICKASSO (OZIT-MRPHEUS OZIT NIKTCD 334) (03)
NIK TURNER’S KUBANNO KICKASSO (OZIT-MRPHEUS OZIT NIKTCD 334) (03)

NIK TURNER’S KUBANNO KICKASSO (03)
2003年にニックが長年活動していたビッグジャズバンド FANTASTIC ALL STARS のCDがリリースされました。バンドは14名にも及ぶ大編成で大まじめなラテンジャズを展開。ニックの別の側面が伺いしれるアルバム。

SPACE RITUAL / OTHER WORLD (07)
ニックと初期メンバー同窓会バンドは、その名も SPACE RITUAL として、ギグテイクを集めた作品をマイナーリリースしていましたが、2007年に ESOTERIC RECORDINGS よりメジャーアルバムリリース。

SPACE RITUAL / OTHER WORLD (ESOTERIC RECORDINGS ECLEC 2011) (07)
SPACE RITUAL / OTHER WORLD (ESOTERIC RECORDINGS ECLEC 2011) (07)
D.アンダーソンのプロデュース。収録曲はほぼ新曲、オリジナル曲で勝負しており、全体に落ち着いた大人のスペースロックという感じで、アンダーソンのプロダクションも良く完成度の高い作品です。

その後、アンダーソンが体調不良で離脱。
2011年には、バーニー・バブルス・メモリアル・コンサートと銘打ったギグが実施され、多くの旧メンバーが参加。。

HAWKLORDS / THE BARNEY BUBBLES MEMORIAL BENEFIT CONCERT (HLORDS001) (11)
HAWKLORDS / THE BARNEY BUBBLES MEMORIAL BENEFIT CONCERT (HLORDS001) (11)
エイドリアン・ショウ、ハーヴィー・ベインブリッジ、スティーヴ・スインデルスなどの HAWKLORDS組、アラン・デイヴィ、ダニー・トンプソンの80年代中期組、ロン・トゥリー、ジェリー・リチャーズの90年代後期組が参加。当時のマネージャー、ダグ・スミス、初期の名ドラマー、サイモン・キングが駆けつけました。キングはホークス脱退度、業界から足を洗っており、実に30年ぶりに再会したことになります。
ギグの模様はDVDやLPにてリリースされます。このメンバー構成は感動ものです。
この時に集まったメンバーを中心に HAWKLORDS のバンド名を復活させ活動を始めます。ニックは参加していませんが、アルバムのリリースを続けています。現在、旧メンバーは、H.ベインブリッジ、J.リチャーズ、ロンで、他は新しいメンバーでの活動。
NIK TURNER / SPACE GYPSY (PURPLE PYRAMID CLP 0666 & CLP 0660) (13)
NIK TURNER / SPACE GYPSY (PURPLE PYRAMID CLP 0666 & CLP 0660) (13)

NIK TURNER / SPACE GYPSY (13)
ニックの久々のソロアルバムが長年契約している CLEOPATRA から2013年にリリース。レギュラーメンバーに旧ホークスメンは起用せず、参加メンバーは UK-SUBS のニッキー・ギャラット(Gt)、ドイツの DIE KRUPPS のユルゲン・エングラー(Key)などがメジャーどころで、その他は無名のメンバー。S.ヒレッジが1曲、S.ハウスが3曲ゲスト参加。スペースロックの路線を踏襲、反復するハードなギターリフと電子音の渦巻くサウンドにサックス、フルート、ニックのボーカルという構成。シンセの音が全体に厚く流れていて、流麗で心地良い印象もあります。
アルバムに先行してシングル Fallen Angel STS-51-L がリリース。公式ビデオは以下。

NIK TURNER / SPACE FUSION ODYSSEY (15)spacefusion
現時点のソロ最新作、今作ではヒレッジ(Gt)が多くの曲に参加し、豪華ゲストが多数参加。前作とは方向性が変わり、タイトルに象徴されるようにフュージョン的な楽曲になっています。ホークスのステージに客演していた、ジョン・エサリッジ(Gt)のプレイもこういう楽曲ではとてもフィットしています。前作から参加のJ.エングラー(Syn)はほぼ全曲に参加していますが、その他のメンバーは流動的で、元メガデスの敏腕ギタリスト、クリス・ポーランドとその現バンドOHMのベース、ロベルティーノ・パグリアリ、ドラマーのデヴィッド・イーグルが基本ユニットとなるため、かつてないほどテクニカルな楽曲。その他、元 THE MAHAVISHNU ORCHESTRA のビリー・コブハム(Drs)とジェリー・グッドマン(Vn)、元 THE DOORS のロビー・クリーガー(Gt)、元 AMON DUUL II のジョン・ヴァインツィアル(Gt)、元 YES のビリー・シャーウッド(Gt/Drs/Key)、リック・ウエイクマン(Key)、先日亡くなったジリ・スマイス(Vo)など。それぞれフルに参加してるのではなく1、2曲程度の参加。ニックによると、これらのメンバーはプロダクション側で人選や交渉をやってお膳立てされていたとのこと。全体にテクニカルな演奏で、個性的なミュージシャンを起用しつつ、スペーシーなムードで統一されています。

FLAME TREE FEATURING NIK TURNER (PURPLE PYRAMID CLO 0298) (96)
FLAME TREE FEATURING NIK TURNER (PURPLE PYRAMID CLO 0298) (96)

また今年の動向として、PURPLE PYRAMID から FLAME TREE FEATURING NIK TURNER (16) をリリース。Sax/Gt/B/Drsの4ピースバンドで、こちらは即興中心のフリージャズを演奏。

客演では元PILのベーシスト、ジャー・ウォブル自身のバンド JAH WOBBLE’S INVADERS OF THE HEART の新作 EVERYTHING IS NO THING (16) に参加。フルートを吹いています。

ジャー・ウォブル&ザ・インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハート/エヴリシング・イズ・ノー・シング (BEAT BRC-518) (96)
ジャー・ウォブル&ザ・インヴェイダーズ・オブ・ザ・ハート/エヴリシング・イズ・ノー・シング (BEAT BRC-518) (96)

ライブ活動は、音楽の内容にあわせて以下の4つのユニットで行うという、多忙な活動を続けてます。

SPACE RITUAL NORTH AMERICA CREW
LA中心に、スペースロック系USツアーを行う際は USバンド HEDERSLEBEN (UK-SUBS のN.ギャラットが在籍)がバックを務めます。

Nik Turner’s Brand New Space Ritual
UK、欧州でのスペースロックは、SPACE RITUAL で。 (しかし現在、オリス。スラットリー、クランブルが抜けており、旧ホークスメンが不在。スティーヴ・ジョーンズ(G)*ピストルズのあの方ではありません、ゲイリー・スマート(B)、クリス・パードン(Key)、チャーリー・スカー(Drs)、Msエンジェル(ダンス)。
今回の来日はこのユニットになると思われますが、ホークスメンは帯同するのか、まだわかりません。

INNER CITY UNIT
パンクはおなじみICU。ギターはS.ポンド、ドラムにはディノ・フェラーリ。

FLAME TREE
ジャズは前述のアルバムをリリースした FLAME TREE という4ピースバンドで演奏。

今月はUKと日本ツアー。今月下旬から11月いっぱいは30カ所近くまわる全米ツアーの予定という、相変わらずのハードロードをこなしていくようです。

以上、ニックさんの経歴をさらっと書くことはできず、とても長々な文章になってしまいました。
ここで紹介しきれていない作品もまだあるので、ディスコグラフィは作りたいです。時間かかりそうだな。
来日メンバーは上記メンバーの可能性が高いですが、果たして、、、