ティム・ブレイク caldea music II


ESOTERIC RECORDINGSによる、ティム・ブレイクのソロ作品群のリマスター再発はこれで最後となります。今作は2002年にリリースされたアルバムで、フランスとスペインの国境にまたがる高原の小国アンドラにあるスパ施設カルデアに委託されたアンビエントなヒーリングミュージック。

Neuronium / caldea music
Neuronium / caldea music(2000)
タイトルに2とついているのは、1にあたる作品が2000年にリリースされているため。スペインのエレクトロニクスミュージックの大御所ニューロニウム NeuroniumのCALDEA MUSICがそれ。もともとタンジェリンなどに通じる瞑想的でスペーシーな作風のバンドですので、ブレイク共々、コンセプトに合致しています。アンドラを挟む2つの国、スペイン、フランスのシンセサイザーミュージックの適任者にカルデアのテーマミュージックを依頼したということですね。2作品とも、当時はスペインのSynergy Recordsからリリースされました。しかしすぐに廃盤となり入手困難でした。
caldea music II オリジナル盤
Synergy Records SRCD 55303(2002)

依頼されるまでは、カルデアのことを知らなかったそうですが、実際に現地に赴きスパを体験することで、施設のもたらす効果に大変感銘したとのこと。その上で作品が制作されたそうです。このようなコンセプトのため、ブレイクの他作品に比べアンビエントな要素が強く、瞑想的な淡々とした曲調が多いですが、S.ヒレッジバンドのギタリスト、クリスチャン・ブーレがグリッサンドギターで、他バグパイプ&フルート奏者の参加により音色は従来通り多彩。耳あたり良い心地よいサウンドで満たされています。当然デジタル機材も使用しているのですが、クレジットにはあえてEMSシンセと記載するのは、こだわりですね。
オープニングはアルバムのテーマ曲という感じのナンバー Caldea。朗々としたテーマをシンフォニックに盛り上げます。
2曲目Floating、軽やかなシークエンスと乱舞する電子音が流れる中、ロングトーンのグリッサンドギター、シンセソロがゆったり演奏されるヒーリング然としたもの。
ハイライトは6曲目Jacuzzi Surfing、シュルツェさながらの反復シンセが突き進む中、ブレイク特有のファズギタートーンのシンセソロが続きます。終曲は幽玄なフルートの調べにより、オープニング曲のテーマが繰り返されます。ドラムスが入りミドルテンポで雄大なテーマが伸びやかなシンセソロで唄われます。

  • 8月には初期2枚が国内盤発売 →発売日9月6日に変更
  • なお今回のブレイク作品リマスター群の初期の2作品「クリスタル・マシーン」「ニュー・イェルサレム」がワサビレコードより8/23国内盤リリースされます。紙ジャケ、BlueSpecCD、2枚同時購入で特製8cmCD「永遠の合成」が特典。<8/27update 発売は9/6に延期されました) 詳細はこちらhttp://www.airmailrecordings.com/wasabi/wsbac058_9.html

    「永遠の合成」Synthese Intemporelleは「クリスタル・マシーン」のB面に収録されているトラックですが、アルバムが78年にスペインでリリースされた際、スペインでシングルカットされ、EPの両面に分けられました。このシングルバージョンは今回のリマスター「クリスタル・マシーン」にボーナストラックとして収録されていますので、よほどのコレクターでない限りこの特典は重要ではないですね。
    Tim Blake Wasabi Records Flyer

    スプリングツアーの様子

    今年の春ツアーは29日の千秋楽を迎えています。過密ツアーは終了し、6月にフランス、7月に本国のフェス参加の予定。今回のツアーはニューアルバムのリリースに伴ったもので、5/11から29までの18日間で16回のギグがあり、26日のロンドン、ラウンドハウスがハイライト。ツアーの様子はオーディエンスショットがたくさんYoutubeに上がっています。

    今回のセトリを見ると新作からの選曲を中心に、70年代の曲も多いです。

    今回の特別企画アンプラグド アコースティック・セット
    Quark, Strangeness and Charm
    Age of the Micro Man
    The Watcher
    Get Yourself Together
    Ascent
    We Took the Wrong Step Years Ago

    メイン・セット
    Earth Calling
    Born to Go
    You’d Better Believe It
    Have You Seen Them
    Vegan Lunch
    Steppenwolf
    Darkland
    Magnu
    The Golden Void
    Synchronised Blue
    Into The Woods
    The Machine
    Welcome to the Future

    17日のケントでのステージはプロショットが上がっています。今回から参加しているマグナスのフルネームが判明Magnus Martinとのこと。
    ステージシモテから順に、そのマーティン(key/g)、ディブス(Vo/SE)、チャドウィック(Dr/Vo)、ウィートン(b)、ブロック(g/vo)という今回のレギュラーメンバー。

    以降はオーディエンスショット。
    ラウンドハウスはサポートアクトにフィル・キャンベルのバンドが参加、こちらはホークスのアンコールにフィルが飛び入りしたブレインボックス・ポリューション&シルバー・マシーン。

    こちらは2日のブリストル。メインセットの前半、You’d Better Believe It、新作からHave Youe Seen Them?。サックスにマイケル・ソスナ(Michael Sosna)というプレーヤーが参加。久しぶりのサックス入りホークス、やっぱりいいなぁ。ソスナは2013年のツアーにもゲスト参加した経験のあるプレイヤー。

    ティム・ブレイク THE TIDE OF THE CENTURY 再発

    ESOTERIC RECORDINGSからのティム・ブレイクのソロアルバム再発も佳境、4thアルバムTHE TIDE OF THE CENTURYがリリースされています。前作MAGICKのリリースから経ること9年の2000年にリリースされた作品。当時はVOICEPRINTからディストリビューションされました。今回の再発はリマスタリングのみでボートラなどの追加は無し。ブックレットのライナーノートは今シリーズのライナー担当になっているイアン・エイブラハムズ、ブレイクへのインタビューを軸に各作品を紹介。今回のライナーではブレイクが、自分のアルバムは、偶発的に生まれたもの、塾考して作ったもの、とに分けられると語っています。前者はCRYSTAL MACHINE、MAGICK、後者はNEW JERUSALEMとこの作品ということになります。

    Tim Blake / THE TIDE OF THE CENTURY
    ESOTERIC RECODINGS ECLEC 2591

    タイトルの由来は、ブレイクの住むブルターニュ地方の海岸は、モンサンミッシェルに代表される欧州でも潮の満ち引きが大きな地域であり、このアルバムを制作中の90年代には特に大きな潮がTIDE OF CENTURYと呼ばれたことからとったそうです。リリース翌年は21世紀を迎えるという時期的な意味もあったようです。
    オープニングはエスニカルで軽快な4拍子のリズムに乗せて歌われるボコーダーが印象的、中間部のシンセソロはブレイクが好んで使うエレキ風な音色。2曲目のタイトルナンバーはNEW JERUSALEMを思い起こすような叙情的な曲。続くSt. Dolayは悲しくも美しい佳曲、泣きのシンセソロが良いですね。
    一部の曲ではバックボーカルで親子の女性ボーカルが使用されており、コーラスがリッチになっています。最後の曲はレゲエ、ボーカルは他のゲストと同様、ブレイクの住むブルターニュの知り合いで色々な人種の参加によって自身も刺激受けて制作したとのこと。
    全体にポップテイストが強く分かりやすい叙情性が加味された作品ですが、ブレイクらしいシンセの音色やアレンジが秀逸。
    ライナーには、科学者がブレイクの音楽を好んでいるという話があり、マンチェスター大の天文学者ティム・オブライエン氏はブレイクの音楽を聴きながら論文を書くそうです。またブレイクは欧州最大の原子核研究所CERNに招かれた際、その科学者たちも同様にブレイクを聴きながら論文を書いていると言われたそうです。

    MOJO5月号にデイヴのインタビューと新曲

    英音楽誌MOJOの5月号はピンク・フロイドの「アニマルズ」発売40周年ということでその特集が掲載され、おまけCDはピンクへのオマージュとして15のアーティストが楽曲を提供しています。

    MOJO 2017/5月号と付録CD

    先月頭に発売されていましたが、コレクターズ・カバーというレンチキュラー表紙版は通販でしか入手できないので、それを注文したため入手が遅れました。見る角度を変えると豚の人形の位置が変化するだけですが。
    その付録CD、PIGS MIGHT FLYにホークスが参加、Lost In Scienceという曲が収録されています。同題曲はTHE MACHINE STOPSのエンディング曲。今回提供にあたり録り直されており、新テイクです。
    アレンジが大幅に異なり、よりハードになっています。デイヴのリードボーカルに代わりこちらはディブスが歌っています。原曲は中間部でリズムが反復パターンになって抑制進行しますが、このテイクでは全編押しの進行、さらに終盤、ニューアルバムのエンディングと全く同じプリミティブなパーカッションやSEが入ります。原曲との違いにみられる溌剌とした演奏が、ニューアルバムにおける前アルバムからの変化を象徴しています。なかなかカッコ良いテイクですので、ファンにはおすすめです。

    また今号には今年1月にデイヴへインタビューした記事が6ページに渡り掲載されています。デボンのデイヴの自宅兼スタジオで行われたもので、幼少の頃から、ストリート・ミュージシャン時代、Famous Cure時代、ホークス結成時、その後の節目節目についてファンが気になることを質問し答えています。
    デビューアルバムのレコーディングではプリティ・シングスのディック・テイラーには色々と教わったとのこと。76年のアルバムASTOUNDING SOUNDSについては、ファンキー色が強く好きでない、当時ニックとパウエルがデイヴをクビにしようとしたが、キング、ハウス、カルバートが当時のマネージャー、トニー・ハワードに相談し、逆にニック達をクビにしたなどのエピソード。77年クオークのツアーは映画「メトロポリス」をイメージしたもので、ダンサーなどが増えてあまりに大所帯でコストがかかるので一旦やめようとしたことが、ホウクローズにつながったとのこと。さらに77年にロックフィールドスタジオでハウス、カルバートと収録した未発表作品群があり、それの発売契約をCHERRY REDと行ったとのこと。まだそんな秘蔵テイクがあったのかと、本国のファンの間では話題になっています。
    その他DISTANT HORIZONSは失敗作と語っています、アイデアが出ないままマネージメントサイドからアルバムを制作しろというプレッシャーから、デモだったものがリリースされたとのこと。
    現ベース担当のハズ・ウィートンについては若かりし頃のレミーを思い出させるとのこと。などなど、興味深いコメントがたくさんあります。

    あまり見たことがない74年当時のフルメンバーショットが掲載されていました

    WARRIOR ON THE EDGE OF TIME 絶対絶命 5.1ch サラウンド評

    OUT OF THE SHADOWS
    SECRET FILMS/SECDVD110 (PAL)
    2013年にATOMHENGEレーベルより満を持して発売されたWARRIOR ON THE EDGE OF TIMEの公式初デジタル化ですが、CDに加えてDVDもリリースされました。ホークス作品の中で本確的サラウンド構築された初めての作品となりました。
    サラウンド形式という点では、過去にいくつかリリースされています。DVDのOUT OF THE SHADOWS(’04)は’02年のライブを収めたものでDolby Digital5.1chでした。しかしマルチトラックをサラウンドの各チャンネルに割り振ったようなものではなく、リアに残響成分を入れた擬似サラウンドという感じでした。
    SPACE RITUAL
    COLLECTORS EDITION
    EMI/HAWKSR 4 (DVD:PAL)

    さらには名盤SPACE RITUALのCOLLECTORS EDITION3枚組(’07)のDVDはDTS5.1chとDolby Digital5.1chの再生モードがあり、クレジットにはオリジナルステレオからアップミックスしたと記載されています。リズム、ボーカル、ギターは前に寄せており、後方は高音がカットされた残響、それに電子音やノイズが鳴っているもの。前述のOUT OF THE SHADOWSよりはサラウンド感があります。しかしマルチトラックから起こした本格的なものではありませんでした。
    なお上記2枚はPALですので、PALの再生環境がないと再生できませんのでご注意ください。

    SPACE RITUAL COLLECTORS EDITION DVDのオーディオ・セットアップ画面

    ATOMHENGEの絶対絶命のサラウンドは2CD+1DVDの3枚組であるEXPANDED EDITIONか、それにアナログ盤を加えたSUPER DELUXE BOXSET LIMITED EDITIONで聞くことができます。DVDプレーヤーと5.1chを再生できる環境が必要です。

    THREE DISC EXPANDED EDITION
    ATOMHENGE/ATOMCD31037

    SUPER DELUXE BOXSET LIMITED EDITION
    ATOMHENGE/ATOMBOX1001

    長年CD化が待たれていた名盤のデジタル化ということで、ATOMHENGEはかなり力を入れ、オリジナルマスターからのリマスターを始め、マルチトラックテープからの新リミックスはスティーヴン・ウィルソンに依頼されました。
    そしてサラウンドミックスもプログレのサラウンド化マイスターとでもいうべきウィルソンに依頼され、マルチトラックから5.1chへ構築した本格的なものとなりました。
    MLP Lossless5.1chとDTS5.1ch、Dolby Digital5.1chの3種のモードが選べます。音質はこの順通りでMLP Losslessが最も高音質。

    ATOMHENGE WARRIOR DVDのオーディオ・セットアップ画面

    当時のユーロロック・プレスに掲載されたウィルソンのインタビューで詳しく語られていますが、まずウィルソン自身もホークスを聴いて育ってきたとのことで、サラウンド化を依頼されたことは名誉だと述べていました。プログレに造詣が深い彼ですが、さすがホークスも押さえていました。曰く、各トラックだけで聴くと酷いと率直な感想、でもそれが一つになるとめちゃくちゃカッコよくなるのがホークスとのこと。また元々クリアでない塊感が魅力なので、作業中クリアになりすぎて、元のグランジーな魅力がなくなっていないか気をつけていたとのこと。正直ウィルソンさんがそこまでホークスのことを理解して作業したとは思わなかったので、とても嬉しい話でした。そんな絶体絶命のサラウンド、どのようにミックスされているのか、以下レビューします。

    Assault And Battery
    イントロのベースはフロントの2chとウーファー、メロトロンはオリジナルより明らかに強調してリアの2chで盛大に鳴っています。メロトロンを後方から鳴らすことでアルバムのテーマであるヒロイックファンタジーの舞台感が出ています。
    続くハイハットはフロント、リア同じくらいの音量でオリジナル同様右側に配置。
    続くドラムはフロント左右。後方でも鳴っていますが、ほとんど前方です。フルートは中央後方寄りに出ているので頭の上で舞ってるように聞こえます。
    デイヴのボーカルはフロントのセンター。ここで初めてセンターから音が出ます。センターはボーカルのみ。ですので、他のスピーカーをオフにするとボーカルだけ聴くことができます。ボーカルの残響成分は左右、後方の左右でも鳴っています。ギターは前方左に寄っています。中間部のフェイズのかかった唸るオルガンも後方から。カウベルはセンタースピーカーから。コンガもフロント寄り。

    Golden Void
    前曲とのつなぎ、壮大なメロトロンは引き続き後方の2chで高らかに鳴り響いてます。ハウスの耳を擘く高音のミニコルグのリードソロは前後左右のセンター真ん中。フィードバックのかかったエレキのサスティンがフロントのセンター。サックスは後方で左右にパンしています。ここはサラウンドの効果がすごく、包まれ感に至福の時を感じます。ギターのストロークは引き続き前方左。

    The Wizard Blew His Horn
    朗読と効果音による曲ですが、このような場面ではサラウンドによる音響効果は如実ですね。ボイスは前で、そのディレイは後方で左右にパン。パーカッション類は前方、キーボードのグッリサンドのようなノイズは後方。

    Opa-Loka
    アパッチビート風のパーカッション群は前方後方の4つのスピーカーから囲まれるように鳴っています。ベース、フルートは前方、ストリングスは後方、電子音とギターはサラウンドの音場の中を回転するように舞っています。

    The Demented Man
    ボーカルはセンター、アコギはセンター含めた前方3つのスピーカー、コーラス系のメロトロンは後方、潮騒と海鳥の声は全体で鳴っています。ボーカルのコーラスはフロントの左右に振り分けています。

    Magnu
    イントロの嵐の音は四方から、ギターは前方左、ドラムも前方左、2つ目のドラムセットは前方右と後方右でも結構鳴っています。ツインドラムの左右振り分けがオリジナルよりも明瞭。ボーカルの生声はフロントセンター、エコーは主に後方の左右、バイオリンは前方に対してサックスは後方寄りにと分けています。中間部のコンガは後方、電子音は四方から。変調のかかるコーラスも四方から鳴っています。

    Standing at the Edge
    朗読は生声がフロントセンター、ディレイは後方中心。ティンパニーや銅鑼は四方から包むように鳴ります。電子音は至る所から。

    Spiral Galaxy 28948
    イントロのシンセは四方を回るように動いています。ドラム、ベースは主に前方に展開。ギターは左前と左後。シンセ群は高音系のレゾナンスの効いたミニコルグは主に前方で展開。中音域は後方に配置。フルートは前後左右中央。

    Warriors
    パーカッション類は前方やや右寄り。朗読の生声はフロントセンター、変調した声は四方から、渦巻くように回転しています。電子音も同様。

    Dying Sea
    ベース、ドラムは前方。フィルター変調のかかったシンセは後方。サックスは前方寄り、ワウのかかったバイオリンは後方。中間部のシンセソロも後方で前方のサックスと明確に分けています。この曲はニックのペンになるので、あえてサックスをフロントにしているというあたり、分かってますね。

    Kings of Speed
    イントロギターは前方、続く電子音は後方、リズムは前方でスタート。バッキングのギターは後方に移動。コーラスに合いの手で入るシンセは前方。後半のギターリフは前方。バイオリンも前方。この曲はかなり塊感を意識しているようで、後方はギターのバッキングのみという感じです。

    というような内容で、ウィルソンの手によってオリジナルの良さを残しつつ、サラウンドの包まれる音場感を楽しめる出来かと思います。隠し味で入っているフィードバックの効いたギターの音色など改めての発見もあります。

    サラウンドについては好みもありますが、総じてプログレ系は楽しんでいます。イエス、クリムゾン、ピンク、ジェネシス、S.ハケット、M.オールドフィールドらの聴きまくったアルバムでも、サラウンド化によって新たな魅力が備わっていると思いますし、特にジェントル・ジャイアントのような音数の多いバンドは、個々の楽器が明瞭になるという利点もあります。
    <管理人のサラウンド環境>
    サラウンド化についてはAV系のセットを利用するケースが多いかと思いますが、管理人は元々ジェネレックのスピーカーを使っていることもあり、バランス接続のできるマルチchのプリアンプをDVD/BDプレーヤーとの間にいれて、サブウーファー含めたジェネレックのベースマネージメントによる5.1ch環境としています。
    ホークスのDVDはPALが多いので、PAL再生可能なDVDプレーヤーも用意しています。

    Hawkwind ニューアルバムINTO THE WOODS全英34位確定

    今週の全英Official Chartsが発表されました。
    ホークウインドの新作INTO THE WOODSは34位と、前作に続きまたまた健闘しています。内容の良さに比較して、地味なジャケットのため案じていましたが、がんばりました。
    ロック&メタルアルバム部門では堂々の2位となっています。

    Officiak Charts アルバム部門
    Rock & Metalアルバム部門

    トップ40入りは前作29位に続き、82年のCHOOSE YOUR MASQUES(29位)以来の出来事ですが、今作も日本ではほとんど知られず、メジャーリリースもないという状況です。

    タワレコでINTO THE WOODSを見る

    ニューアルバム週間チャート初登場24位・公式ビデオリリース/アンプラグドも

    いよいよ明日から怒濤の全英ツアー開始のホークウインドですが、最新アルバムINTO THE WOODSが全英オフィシャルチャートの5/5-のアルバム部門週間チャートで初登場24位に入りましたが、暫定ランキングで今現在は圏外、週末にランキングが確定します。ちなみに昨年、前作は初登場18位でした。

    ツアーに向けて昨日公式サイトMISSION CONTROLからニューアルバムINTO THE WOODS収録曲Have You Seen Them?の公式ビデオがリリースされたとのアナウンスがありました。アルバムの前半のハイライトの7分に渡る曲で、尺はそのまま最近のステージショットとレコーディングスタジオ、CG、森のロケ画像などを組み合わせています。
    メロディアスな前半の歌唱部分、後半の反復演奏で電子音を絡めて盛り上がるところがホークスらしいナンバーです。

    Themというのはアルバムのテーマの一部である森の妖精を指していることが分かります。またこの動画をみるとリードボーカルはチャドウィックようですね。ディブスも歌っているとアルバムにはクレジットがありますので、二人で歌いつつメインはチャドウィックという感じですね。
    その点でアルバムをみると、ディブスの関与がかなり減っていると思われます。

    続いてこちらも最近のステージショット。アンプラグドです。最近の曲もやってますが、アンプラグドだとカルバートのテイストが濃いHAWKLORDS期の曲がフィットしやすいですね。
    今回のツアー告知では、スペシャル・アピアランスHAWKWIND UNPLUGGEDと記載しており、セトリにこのコーナーが加えられています。

    ハズ・ウィートンもアコースティック・ベースに持ち替えています。右のギターは新作にゲストとして参加したマグナスと記載されています。ソロプレイも披露しており、達者なプレイヤーのようです。アルバムではキーボードもプレイしているし、このままレギュラーメンバーになるかもしれません。

    明日から始まるINTO THE WOODS ツアーのフライヤー UNPLUGGEDのコーナーがあることをアピールしています

    タワレコでINTO THE WOODSを見る

    INTO THE WOODS CD版レビュー

    Hawkwind / INTO THE WOODS CD cover
    CHERRY RED RECORDS CDBRED700
    なぜかCDよりもアナログ盤の入荷が早かったホークウインドの最新作INTO THE WOODS、いよいよCDも国内に入荷しました。LPと同じくタワレコで入手しました。内容は先日紹介しましたアナログ盤と同じです。
    カバーは前作THE MACHINE STOPSと同じデジパック仕様です。いつものパターンですと、初期限定でデジパックがリリースされ、その後ジュエルケース版が通常版として発売されるという流れですが、前作は今のところデジパックしかない状況です。
    CD版のブックレットには歌詞が掲載。LP版にはなかったイラストが載っています。カバーの内側はLPカバーの内側と同じイラスト。
    Hawkwind / INTO THE WOODS
    デジパックの内側とブックレット

    内容はアナログ版でレビューしたように前作にも増してアグレッシブな作品ですが、このジャケの印象が地味すぎるので注目されにくいかもしれません。
    Hawkwind / INTO THE WOODS
    テーマとなっている森に棲む妖精が描かれ裏カバー

    なおホークスは3月から散発的にステージを行なっていましたが、このアルバムの本格プロモーションツアーが11日から開始されます。16回のギグを5月中に全英で一気に行うハードロードです。
    Hawkwind Roundhouse Flyer 2017
    45年ぶりに出演するラウンドハウスのフライヤー INTO THE WOODS のカバーの妖精
    ハイライトは26日、72年にあのグリージィートラッカーズパーティが実施された名門ラウンドハウスに出演です!サポートアクトはMOTERHEADのフィル・キャンベルのバンドPhil Campbell and the Bastard Sons。
    タワレコでINTO THE WOODSを見る

    Tim Blake 3rd MAGICK リマスターレビュー

    英ESOTERIC RECORDINGSレーベルによる、ティム・ブレイクのソロアルバム群再発の第3弾として、91年の3rdアルバムMAGICKがリリースされています。このアルバムは91年に英VOICEPRINTからリリース、92年に仏Mantraから再発され、その際に素っ気なかったカバーが新調されました。その後、2000年に同じく英VPより再発されています。
    内容はブレイクが長年住まいとしている仏ブルターニュの自宅スタジオでライブ収録されたもの。自宅でライブ用にトレーニングしている演奏をレコーディングしたとのこと。レコーディングしたそのままで、ポストプロダクションは加えていないそうです。
    1曲目はA Magic Circle(魔法円)というタイトル通り、ミステリアスでいい雰囲気です。満月の夜に録音されたアルバムとのことで、アルバムタイトルを「魔術」として、シンセの魔術師ブレイクらしいニュアンスとなっています。

    Tim Blake / MAGICK
    ESOTERIC RECORDINGS ECLEC 2585

    今回のリリースに伴い、ボーナストラックなども加えられていません。ブレイクさん的には習作という意味合いがあるようですが、前後作と比較しても遜色のない出来と思います。一発録りという点で音数が少なめではありますが、リズムやベース、バックのパッドなどのシークエンスプログラムは楽曲として作り込まれているので、CRYSTAL MACHINEよりはNEW JERUSALEMの方向性に近い作風です。全8曲中4曲がボーカル、4曲がインストです。ボーカル曲のバラードWaiting For Natiはホークス在籍時にホークスのステージで演奏していた曲です。
    ブックレットのライナーノーツは従来通りイアン・エイブラハムズ氏。
    裏カバー 左は92年のMANTRA、右は今回リリースのもの トレードマークのUFOアイコンが使用されているMANTRA盤は使用機材なども記載されていましたがESOTERIC盤には記載がありません

    なおこの後は4th THE TIDE OF THE CENTURTY、さらに02年にアンドラの温泉施設カルデアに委託されたヒーリング音楽を収めたアルバムCALDEA MUSIC IIまでも再発され、ソロワークスが全網羅される予定。

    ホークウインド2017年最新スタジオアルバム INTO THE WOODS 最速レビュー

    公式では5月5日発売予定とされていますが、このところCHERRY RED RECORDSのリリースは、発売予定日よりも早く日本に入荷するので、前作の入荷が早かったタワレコでチェックしていたところ、早くも先週に最新作INTO THE WOODSのアナログ盤のみ入荷しました。23日現在、CDはまだ入荷していないとのことでした。

    2枚組LPレコードのカバー CHERRY RED RECORDS BREDD700

    それにしても早いです、英国内の出荷より輸出分の出荷を優先しているとしか思えません。
    今作は、CD1枚とLP2枚組の2バージョンというシンプルなリリース形態です。

    まずクレジットを見ると参加メンバーに変化があり、なんとナイル・ホーンの名前がありません。今年の3月、4月のステージの様子がYoutubeに上がっていますが、ナイルは不参加の模様。以下メンバークレジットです。
    Dave Brock Vo/Gt/Key/Syn/Theremin
    Haz Wheaton B/Key
    Richard Chadwick Dr/Perc/Vo
    Mr Dibs Vo/Key/Syn
    Magnus Key/Gt
    Big Bill Barry Fiddle

    Mrディブスは、ボーカル2曲、キーボードで2曲という、控えめな参加となっていますが、ステージにも参加しています。
    キーボードのマグナスという人の詳細は不明、THE ENIDやS.ハケットバンドに在籍していたニック・マグナスという線も(ソロアルバムがESOTERICからリリースされている)考えましたが、多分違います。
    Youtubeに上がっている映像を見ると、若手のキーボードプレイヤーがナイル・ホーンに代わってステージに上がり、ギターも弾いているので、それがこのマグナスという人の可能性が濃厚。この人とフィドル(バイオリン)プレーヤーがゲストっぽい感じですが、今後パーマネントなメンバーになるのか、いずれ判明するかと思います。

    見開きカバーの内側

    クレジットには、マシーン・ストップスの続編的なものと記載されているこのアルバム、上記の参加メンバーの基本ユニットであるブロック/ウィートン/チャドウィックのトリオが核になったシンプルなロックバンドとしてのソリッドな演奏が最大の特長。
    前作までの緻密な音作りや効果音を含む印象的な情景描写は、今となってはホーンの果たす所が大きかったと思われます。
    新加入のベーシスト、ハズ・ウィートンの繰り出すフレーズと強いドライブ感が本国のファンには好感を持って受けいられていますが、そのウィートンのスタイルが今作の肝となっています。当然ホークスのお家芸である乱れ飛ぶ電子音やプログレっぽいパッド音も使用されていますが、それらの印象が弱くなるほど、パワフルでソリッド感のある演奏が全体を支配しています。ウィートンのプレイが結果ブロックを刺激したとも考えられます。
    年々、多くの伝説的プレイヤーが亡くなっていく昨今、ブロックやニックについても、いつそんな時がきてもおかしくない年齢ですが、この最新作はデイヴ・ブロックの堂に入ったロッカーとしてのアグレッシブな姿勢が力強く示されている力作で、世界中のファンにとってまた嬉しいプレゼントになると思います。

    オープニングは、前作の最後に現れた悲哀感のある印象的なパッセージに似たアコピの演奏から始まり、アルバムコンセプトが前作の続編であることを告げます。14秒ほどで突如ミドルテンポの重い5拍子リフが開始。1分強の長いイントロでウィートンのベースの牽引力を感じさせます。リードボーカル、一瞬これ誰?と思いますが、すぐにブロックだと気がつき、エフェクトを通した濁声でハード感を増長しています。緑の森の奥から手招きをするおどろおどろしい森の精を演出しています。中間部のワウをかけたブロックのギターソロもかなり荒々しい。
    前作THE MACHINE STOPSの原作には続編はありませんので、今作はホークスの解釈による続編ということになります。アルバムカバーは森の中のストーンサークル、ジャケ内側には緑に覆われた都市の情景が広がっています。前作のエンドでテクノロジーの崩壊を経た世界がその後、自然力によって緑に覆い尽くされ、そこには人間を超越した自然のスピリッツが支配する世界となった、というようなストーリーかと思います。
    6分過ぎでオープニングトラックはフェードアウト、続いてスローテンポの寂寞感のあるバラードCottage In The Woods、引き続きブロックのペンによる曲、森の中のコテージに囚われた人間が歌われます。3分ちょっとで、続くインストThe Woodpecker、チャドウィックによるキツツキをまねた効果音が印象的。そしてブロック/ウィートン/ディブス/チャドウィック共作のHave You Seen Them? ボーカルはチャドウィックとディブス、曲調が少し明るくなり高めの声域を生かした流れるようなコーラス、しかしリズムは重く引きずり、ハードリフが続きます。ミドルテンポながらホークスらしく反復に電子音、コーラスが戻り不意に終了、7分強。
    アナログ盤ではここでA面終了。
    しかし入荷の関係とは言え、新作をアナログ盤から聴くっていうのは、実に久しぶりな体験です。このレコードを裏返すという作業がまた次はどんな曲が?ワクワクします。CDだと一気に聴ける良さがありますが、この面を裏返す時の感覚はやはりいいものです。

    Ascentはストリングスのパッド系サウンドをバックにブロックがスローに歌い上げます。アコギがバックで奏でられ美しい肌触り、ここでもベースは骨太く演奏されスローながら締まった印象。最後アコギだけになり終了。続いて上昇シンセ音に導かれたメロディアスなナンバーSpace Ship Blues。シルバー・マシーンのレプリカソングのような歌詞で、バンジョーやバイオリンがフォークロックさながら楽しく演奏されていきます。クロスフェードする形で次曲The Windの森の中の効果音が入ってきます。ブロックの朗読。多彩なパーカッション群、森の動物、鳥類の声、中間から反復リフ、リズムだけが残り、次第にフェードアウト。

    C面に移り、いきなり元気よくハイテンポなVegan Lunch。ベジタリアンなランチをブロックがノリ良く歌う曲、中間部の流れるような間奏が美しい。4拍子ながらシンコペを使ったリフと流れるような進行部分との対比が楽しいトラック。続いてシンセの高速アルペジオの上でブルースが展開するMagic Scenes。泣きの強い曲ですがストリングスに頼らず、ギター中心に盛り上げています。シンセアルペジオが残り、その後アコギのアルペジオが主役となり泣きのコード進行が続くDark Land。ここでもパッド音は脇役で主体はギター。

    D面は木の精を歌ったWood Nymph、流麗なAメロに対して、Bメロは重々しいリフ。ブロックらしい展開。森の効果音にディブスのつぶやき、Deep Cavernというタイトル通り、暗い森の洞窟を思わせます。
    エンディングはハイテンポで疾走、その名もMagic Mashrooms。3ピースの演奏とオルガンによるタイトな演奏。中盤のリフがDuglas In The Jungleを思い起こせます。しかしブロックさん、今回は弾きまくってます。
    最後ディストーションギターがかぶって終了、歓声が入ってきてライブ風演出。長めでシリアスに攻め立てた曲ですが、拍子抜けする効果音が。これはアルバムを聴いてみてください。

    白の穴開きスリーブ ビニールは最近定番の180g仕様

    専任のキーボディストがいないこともあるかと思いますが、トリオの演奏が主役となり、ブロックがギターに徹したことで、このアグレッシブさが出たと思います。前作はアレンジや音色の多彩さが特長的で、今回はタイトでストイック、ロックバンドらしい印象で、好みによって評価が分かれそうです。
    まぁでも、個人的にはブレイクさんには戻ってきてもらい、冷ややかなストリングスと派手な電子音はつけてもらいたいですが。
    カバーは内容のパワフルさに対して地味で落ち着いてますので、マッチングは良くないです。近作を手がけるマーティンM作です。
    アナログ盤とCD盤は同内容みたいです。CDも入手しましたらレポートします。

    HAWKWIND / INTO THE WOODS
    CHERRY RED RECORDS / BREDD700
    Produced by BROCKWORLD
    Engineer : DAVE BROCK

    SIDE 1
    1. INTO THE WOODS -Brock
    2. COTTAGE IN THE WOODS -Brock
    3. THE WOODPECKER -Brock/Chadwick
    4. HAVE YOU SEEN THEM? -Brock/Wheaton/Chadwick/Darbychire

    SIDE 2
    1. ASCENT -Brock
    2. SPACE SHIP BLUES -Brock/Wheaton/Chadwick
    3. THE WIND -Brock/Chadwick/Wheaton

    SIDE 3
    1. VEGAN LUNCH -Brock
    2. MAGIC SCENES -Brock/Chadwick/Wheaton
    3. DARKLAND -Darbychire

    SIDE 4
    1. WOOD NYMPH -Brock/Wheaton/Chadwick
    2. DEEP CAVERN -Darbychire
    3. MAGIC MUSHROOMS -Brock/Wheaton/Chadwick
    タワレコでINTO THE WOODSを見る