ホークウインド周辺近況

COVID-19の影響で予定していたフェス参加(4月のHRH、8月のBEAUTIFUL DAYS)は延期や中止になっています。7月のRAMBLIN’ MAN FAIRもこの状況ですと中止か。その中で8月下旬に予定していた恒例のバンド主催イベントHAWKFESTについても公式Facebookページで、ファンに意見を聞いていますが、今年は中止にして欲しいという意見が大勢を占めています。その中でライブ配信をしたらどうかという意見もありますが、ブロックのデボンの農場ではネット回線がかなり遅いとのことで実現は難しいようです。

関連アーティストの状況ですが、ニック・ターナーは昨年腰の手術をしたようで、その回復を待つため年初から表立った活動はしていないようです。

アラン・デイヴィは、Cleopatraレコーズから新作に加えての、引き続き過去リリースの音源の再発を続けており、AL CHEMICAL’S LYSERGIC ORCHESTRAシリーズ(2作)に続いて、80年代から宅録していた音源を収録した習作集FOUR TRACK MINDが4枚のアルバムをセットにしてリリース予定。

Alan Davey / Four Track Mind (Purple Pyramid – CLOJ1646)

以前自前のCD-Rで自身のギグなどで販売していたもの。その名の通り4トラックのカセットレコーダーでコツコツ作っていた習作集です。打ち込みドラムマシーンにシンセ類をオーバーダブ、インストや歌入りなどのプライベートなもので、デイヴィのソロが好きな方くらいにしかお勧めできないかも。

さらにサイドプロジェクトのバンドPRE-MEDの過去3枚のアルバムをセットにしてリリース予定。

Hawkestrel Presents Pre-Med (Purple Pyramid – CLO1703)

マルチプレイヤーであるボーカルのダニー・フォルクナーを核としたバンドで、以前VOICEPRINT傘下のHAWKWIND RECORDSからリリースされていました。メタル色の強いスペースロックで、フォルクナーの声がMr.ディブスに似ていますが、ドライブ感のある演奏とオリジナリティで周辺バンドの中ではなかなかの実力だと思います。デイヴィは昨年、新プロジェクトとしてHAWKESTREL名義でアルバムをリリースしましたが、今回のPRE-MEDのリリースにもその名称を使っていますね。

ジェリー・リチャーズ率いるホウクローズですが、昨年10-11月のツアーの模様をレコーディングしたライブアルバムALIVE IN CONCERTを今月29日にリリース予定。

現メンバーのリチャーズ、デイヴ・ピアース、トム・アシュースト、デッド・フレッドの4人にゲストでニック・ターナーが参加したもの。大半がバンドの曲ですがターナーが参加しているので、Master Of The Universe、Brainstorm、ターナーのソロアルバムよりSR-71を収録。昨年リリースされた最新作HEAVEN’S GATEまで参加していた古参のハーヴィー・ベインブリッジですが、このライブアルバムの収録されたツアーには参加していませんでした。その後バンドの公式Facebookページのバンドメンバーにもクレジットがないので脱退したのかもしれません。リーヴスは良いキーボード奏者ですが、ベインブリッジのシンセ類がなくなるとスペイシーさが減ってしまう懸念が出てきますが、どうだろう。ホウクローズのディスコグラフィはこちら。

ジャーナリストのジョー・バンクスの執筆したホークウインドのバイオグラフィ本DAYS OF THE UNDERGROUNDが発売されます。

Joe Banks / Hawkwind: Days of the Underground (STRANGE ATTRACTOR)

昨年からアナウンスされていましたが、遅れに遅れて現在6月発売と告知されています。新しいインタビューがかなり含まれているので、楽しみにしています。通常のペーパーバック(£22.00)に加えて、おまけのついたハードバック版(£50.00)が500部発行されるとのこと。出版元サイトはこちら。

ホークス近況

世界中がコロナウイルスの影響を受けている状況なので、3/28-29にデイヴ・ブロックが出演する予定だったHRH PROGが中止になっています。まだまだ先が見えない状況ですが、一応夏のランブリン・マン・フェアー(7/19)やビューティフル・サンデー(8/21-23)、自前イベントホークフェスト(8/28-30)は今の所予定されていますが、どうなるやら。

今年は1月25日にジャイアンツ・オブ・ロックに出演しており、その時の模様はYoutubeで観る事ができます。メンバーは変わらず、ブロック、チャドウィック、ホーン、マーティンの4人。

また1月6日にドラマーだったマーティン・グリフィンさんが逝去されています。70年代はハーヴィー・ベインブリッジらと共にARCというバンドからSONIC ASSASSINSを経てHAWKLORDSへ。その後81年から82年のRCA時代に参加。その後何度かゲストでステージに立ったこともありました。

クオークのジャケット製作者のコメント

ホークウインドのアルバム・カバーの中で、唯一HIPGNOSIS(ヒプノシス)が手がけたQUARK STRANGENESS AND CHARM(クオーク・ストレンジネス・アンド・チャーム)。デザインはヒプノシスがしていますが、その実作業は外注されています。当時は当然ながら完全な手作業。カラープリントした写真を切り抜いてコラージュしたり、その上からエアブラシなどで加工するなどのレタッチを駆使していました。

Hawkwind/Quark Strangeness And Charm
1950年代のSFをイメージしたというアートワーク
私所有のこのジャケは、S.ハウス以外の4名の直筆サインが書かれたもの

その作業を行なっていたリチャード・マニング氏のサイトで、クオークのカバーについてのコメントがありました。文字盤を切り貼りしたとか、光線や稲妻のようなラインは全てエアブラシで作業したなど。なおこのロケ地は、ピンク・フロイドの「アニマルズ」で有名なバタシー発電所の内部です。

Hawkwind/Quark Strangeness And Charm
デザインにヒプノシス、グラフィックにジェオフ・ハルピンという記載がありますが、マニングのクレジットはありません。

HAWKESTREL 第2弾プロジェクトはトッド・ラングレン/L.シャンカーとのコラボ

HAWKESTREL / Circles
HAWKESTREL / Circles (2019) Digital Download

アラン・デイヴィの新プロジェクトHAWKESTREL(ホーケストレル)は本年1stアルバムをリリース、ホークウインドの過去のメンバーが大勢参加した一大プロジェクトですが、その新曲がディストリビューションを行なっているPURPLE PYRAMIDからデジタルリリースされました。これが驚きのゲスト、トッド・ラングレンがギター、L.シャンカーがバイオリンで参加、さらに曲はUSの若手ラッパー、ポスト・マローンの本年の新曲「サークルズ」のカバーという選曲も意外。こちらの公式ページで無料視聴できます。原曲のニュアンスそのままのメロディアスで美しいもので、シャンカーのバイオリン・ソロ、ラングレンのギター・ソロがフィーチャーされインストルメンタルとしています。バックにメロトロンと電子音が多少鳴っていますが、AORに通じるような仕上がり。このゲスト2名の御大もPURPLE PYRAMIDでアルバムリリースしているので、コラボはスムーズにできたようですね。シャンカーはインド人のバイオリニスト。あのラヴィ・シャンカールとは別人です。P.ゲイブリエルなど数多くの大物アーティストに起用されてきたベテラン。来年リリースされるというホーケストレルの2ndアルバムも楽しみになってきました。

マイケル・ムアコック激白

先日(12月5日)にクロアチアのロック情報サイトPERUN.HRにマイケル・ムアコックの最新インタビューが掲載されました。そこで、今までは詳しく語っていなかったデイヴ・ブロックとニック・ターナーの確執について、ムアコック自身の意見を具体的に語っています。はっきり言ってますが、ホークス・ファミリーの中で、ブロックはトラブルメーカーであり独裁者だと非難しています。バンドメンバーを攻撃し、分割と支配をモットーとしている。理由はお金、引退後の社会保障など自身のことしか考えていないと評しています。ムアコックはこのところ、SPIRITS BURNINGでのコラボレーションやニック・ターナーやアラン・デイヴィのプロジェクトに頻繁に参加しています。そうした中でホークスファンがムアコックとブロックが友人であると思っていることに不安を感じたので、ホークスについて自分の考えをオープンにしたとのこと。

この記事を見つけたのはMr.ディブスがリツイートしていたからで、彼の脱退もそういう問題だったのだろうと思います。

LIVE CHRONICLEの初回版のリリースの際、ムアコックの朗読部分が含まれなかったのは、リリース元が誰なのかブロックは嘘をついたので、ムアコックが取り下げさせたことが理由のようです。あのアルバムはダグ・スミスの設立したレーベルでしたので、おそらくスミスに対して反感を持っているのかもしれないです。その後アルバムのレーベルが変わったので、元々は気に入っていたので、戻したそうです。あのツアーではラントンの演奏が好きだったとのこと。

ユナイテッド・アーティスツに残したソロアルバムTHE NEW WORLDS FAIRについてはサイモン・ハウスが記譜をして貢献したそうです。またレミー、テリー・オリス(サイモン・キングの間違い?)、クマ・ハラダ、スノーウィ・ホワイトらが関与していたが、ブロックが参加したことは覚えていないとのこと。アルバムのクレジットはダグ・スミスが間違えたのではないかと言ってます。

カルバートの2ndソロLUCKY LEAF AND LOGSHIPSに参加した時、イーノがプロデューサーだった訳ですが、そのイーノとの協働について、インテリジェンスとコミュニケーションに長けていて、しっくりきたと評しています。カルバートは録音時には規律正しかったとのこと。

そのほかにも当時のシーンのこと、レミーのことなど、色々と語っています。

ロイヤル・アルバート・ホール ゲストはフィル・キャンベル/ジャー・ウォブル

Hawkwind 50th anniversary tour Royal Albert Hall

前日のギルドフォードでのクラプトンのゲスト参加というサプライズの翌日、千秋楽となる名門ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサート。チケットはソールドアウト、大観衆の喝采のもと実施されました。ゲストは元MOTORHEADのフィル・キャンベル、元PILのジャー・ウォブルでした。キャンベルは2017年のラウンドハウスで参加したことがありました。ウォブルはニック・ターナーがソロアルバムに参加していましたが、元々ホークスのファンだったので、出演を快諾したと思われます。ウォブルはRight To Decideのみ参加。キャンベルはThe Watcher/Silver Machine/Master OF The Universeに参加した模様です。これで50周年の今年のギグは終了。来年は夏のHAWKFESTなどが予定されています。

Hawkwind 50th anniversary tour
ゲストのフィル・キャンベル(右端)
Hawkwind 50th anniversary tour
デイヴ・ブロックさん、今年に入ってから、少し老け込んだ印象があります
Hawkwind 50th anniversary tour
ステージセット中、コンソールからの写真
Hawkwind 50th anniversary tour
当日のセットリスト ほぼこのリストで今ツアーは演奏されていました

Youtubeでの当日の模様は色々上がってます。

Motorway City

Hurry On Sundown

Master Of The Universe

Hawkwind 50th anniversary tour Royal Albert Hall
大観衆のロイヤル・アルバート・ホール

ついにエリック・クラプトン、ホークウインド のステージで共演!(11/25ギルドフォード・ギグ)

Hawkwind 50th anniversary tour
Hawkwind 50th anniversary tour with Eric Clapton
ついにステージでの共演を果たした旧友同士

50周年記念ツアーの終盤、11月25日ギルドフォードでの公演のスペシャルゲストはエリック・クラプトンでした。昨年のROAD TO UTOPIAにゲスト参加した曲The Watcherからステージに上がり、そのままアンコールまでずっと演奏に参加したそうです。Youtubeにはそのステージの動画が上がっていますので、紹介します。Golden Voidではクラプトンとブレイクの二人ソロプレイ。ボーカルのサビでは前座のThe Blackheart Orchestraの二人がブロックと一緒に歌ったりしてます。

The Watcher Road To Utopia

Silver Machine

Assault & Battery / Golden Void

Master Of The Universe / Welcome To The Future

Right To Decide

50th Anniversary Tourの模様

Hawkwind 50th Anniversary Tour
下手からM.マーティン(Key/G/Vo)、N.ホーン(B)、中央にT.ブレイク(Key)、後にR.チャドウィック(Dr/Vo)、上手は定位置D.ブロック(G/Vo)

11月10日から始まった英国内15カ所に及ぶ50周年記念ツアーは順調に進んでいるようです。今回は予告通り、レギュラーメンバー4人に加えティム・ブレイクが参加。レーザー光線を使い、舞台上には「宇宙の探求」や「宇宙の祭典」を始め今までリリースしたアルバムカバーのデザインシートが飾られています。セットリストは以下となっています。

Hawkwind 50th Anniversary Tour

( )内は収録アルバムとリリース年

  • Motorway City (LEVITATION-1980)
  • Flesh Fondue (ALL ABOARD THE SKYLARK-2019)
  • Last Man On Earth (ALL ABOARD THE SKYLARK-2019)
  • Tha Song Of The Gremlin (R. CALVERT: CPT. LOCKHEED AND THE STARFIGHTERS-1974)
  • Born To Go (SPACE RITUAL-1973)
  • You Shouldn’t Do That (IN SEARCH OF SPACE-1972)
  • 65 Million Years Ago (ALL ABOARD THE SKYLARK-2019)
  • In The Beginning (ALL ABOARD THE SKYLARK-2019)
  • Spirit Of The Age (QUARK STRANGENESS AND CHARM-1977)
  • The Fantasy Of Faldum (ALL ABOARD THE SKYLARK-2019)
  • Silver Machine (シングルリリース-1972)
  • Assault And Battery (WARRIOR ON THE EDGE OF TIME-1975)
  • The Golden Void (WARRIOR ON THE EDGE OF TIME-1975)
  • Right To Decide (ELECTRIC TEPEE-1992)

アンコール

  • Hurry On Sundown (HAWKWIND-1970)
  • Master Of The Universe (IN SEARCH OF SPACE-1971)
Hawkwind 50th Anniversary Tour

新作ALL ABOARD THE SKYLARKからの選曲が多めで、それ以外のほとんどは70年代の定番曲という構成ですね。千秋楽のロイヤル・アルバート・ホールあたりはライブレコーディングしそうですね。なお昨年のオーケストラ共演ツアーの模様もレコーディングされていたらしく、アルバムとしてリリースすることも想定していたようなのですが、それよりも新作アルバムのリリースを優先したと、先日紹介しましたPROG誌のインタビューでブロックが語っていました。今後ライブアルバムとして日の目をみるかもしれませんね。でも、結構発売されていないライブレコーディングの素材あるようなので、リリースされないままお蔵入りして欲しくないです。

PROG 最新号はホークウインド 50周年特集

PROG No103
PROG NO.103 (Oct.2019)

英プログレ専門誌PROG。今号は結成50周年を迎え新作ALL ABOARD THE SKYLARKのリリース、50周年記念ツアーを控えたホークウインドの特集を掲載。特集記事は3部構成で、デイヴ・ブロックのインタビュー、カルバートの再評価記事、ステイシアへの最新ロングインタビューとなっています。この表紙にステイシアのコメントがありますが、ホークスファンはどこに行っても会えるし、人生を通して旧知のファミリーと呼べる存在だと語っています。興味深い記事と多くの写真も掲載されており見応えがあります。各ページにはホークス代表作のミニレビューも掲載されています。

ブロックのインタビューでは今作のタイトルであるSkylarkは古典スペースオペラの作家、E.E.スミス作「スカイラーク・シリーズ」の宇宙船スカイラーク号や1940年代から50年代にイギリスの各地の港に出入りしていたボート旅行者たちがスカイラークと呼ばれていたことなどからインスパイアされたとのこと。スカイラーク号はバンド「ホークウインド」の象徴であることが語られています。バンドを振り返り、ジェネシスやピンク・フロイドと違って最初からメインストリームのバンドとは一線を画すアンダーグラウンドのバンドであること。バンドでの大金稼ぎは創作意欲を削ると言い切り、ほどほどの稼ぎにすべきという持論です。ホークスを続けることはビジネスではなく、自身が本当に楽しむためにやっているとのこと。

PROG No.103

カルバート記事は来年リリースされるホークスのバイオ本Hawkwind: Days Of The Undergroundの作者、ジョー・バンクスの執筆。関係者のコメントが多く、その個性的な人物像を再評価するに十分な内容となっています。

PROG No.103

そしてステイシアへの直接インタビュー、今までほとんど語られていなかったステイシア本人が語る内容はとても興味深いです。ホークスからの離脱については語ることはできないと避けています。推察するに、彼女の本意ではなかったようです。今でも、ホークスファミリーの一員という意識はあるように感じるコメントでした。現在現代アートの作家ですが、広島、長崎の悲劇からピースワークと称する創作を自身のメインワークとしており、日本にも3回訪れています。最近はあるバンドと共同でアルバムを作っているとか、またプライベートについてもかなり語っています。

PROG No.103

以上は記事のほんの一部で、多くの興味深い内容が盛りだくさんです。また今号ではPROG AWARDS 2019の授賞式の様子もレポートされています。WARRIOR ON THE EDGE OF TIMEがCLASSIC ALBUM AWARDSを受賞したので、授賞式でのブロックの様子も掲載されています。付録CDはホークス特集にちなんでSONIC ATTACKSと名付けられていますが、内容はホークスとは関係のないバンドたちのサンプル集です。