リリースに合わせて昨年8月に掲載されたルドルフのインタビューが興味深い内容でしたので、紹介します。 https://www.hit-channel.com/interview-paul-rudolph-pink-fairies-hawkwind-brian-eno/149989 このアルバムの制作のきっかけはニック・ターナーからクレオパトラを紹介され、デイヴィやフォックスのブッキングが可能とのことで開始されたプロジェクトだったとのこと。また、過去の話では、ホークスでのファンキー路線導入がブロックたちに拒否されたとか、カルバートと共作したBack On The Streetsは今でも気に入ってるなどのコメント。イーノのアルバムでロバート・フリップと共演した時の話など、面白いですね。 なお、HRH PROGのイベントが今年も10月にロンドンで実施される予定ですが、HAWKLORDSやKRANKSCHAFTにCAPTAIN STARFIGHTER AND THE LOCKHEEDSなどのバンド名が出ており、この辺り旧メンバーの活動も活発化しそうです。昨年ホークスが出演していますが、今年は今のところ出演のアナウンスはないです。 http://www.hrhprog.com
昨年に告知、ホークウインドとオーケストラの共演ライブIn Search Of Utopia’ – Infinity and Beyond plus The Blackheart Orchestraの全日程が終了しました。10月18日のマンチェスターをこけら落としに11月4日、5日のロンドンのパラディアムシアターを挟み、11月25日のバーミンガムを締めに全8公演行われました。そのうち5公演にアーサー・ブラウンが出演しました。途中11月17日はウエールズのHRH PROGフェスに出演、その時は通常のバンド演奏でした。
ブロックは60年代のストリートバスカーだった際、「パラディウムの裏で演奏してたら、公衆迷惑罪でしょっぴかれて、罰金払わされたんだ。でも今の俺を見てくれよ!」と今回パラディウム公演について感慨深げに語っていました。
各メディアのレビューやファンの評判も良かったです。ホークス本来の世界とはちょっと異なりますが、これ一回きりのイベントでしょうし。
キーボード、ギターのマーティンがリードボーカルをとる場面もあったそうです。
セトリは以下。
Assault and Battery
The Golden Void
Shot Down in the Night
Paradox
We Took the Wrong Step Years Ago
The Black Corridor
The Watcher
Sonic Attack
Damnation Alley
Zarozinia
Intro the Night
Down Through the Night
Have You Seen Them
Arrival in Utopia
アンコール(バンドのみ)
Spirit of the Age
Hymn to the Sun
Silver Machine
9月14日発売予定のホークウインドの新作Road to Utopiaですが、早くもアナログ盤が国内のタワレコの都内店舗に入荷していました。まだ本国のAmazonでも発売していません。前々作Into The Woodもアナログ盤だけタワレコに早く入荷していましたが、今回はそれよりも早いです。すでにiTunes、Spotifyなどでシングルとして、アルバム収録曲のQuark, Strangeness & Charm、The Watcherがリリースされ、一部視聴できます。
新作をLPで初聴きするという、近年では滅多にない幸せな機会。新作レコードに針を下ろすワクワクした気分はやっぱりいいです。
リチャード・チャドウィックのドラムチューニングが軽めなイントロのリズムから本作のアコースティック志向が感じられます。オープニングのQuark, Strangeness & Charm。ギターのバッキングに絡んでホーン群の響きが印象的です。デイヴ・ブロックのリードボーカルはいつも通りなんですが、スイングしたリズムに合わせた歌い方で、このジャジーな演奏を楽しんでいます。電子音も多少入っていますが、ここではホーンが主役。
そしてイントロからクラプトンのブルージーなエレキが登場するThe Watcher。ほぼ全編を通じてクラプトンのギターが演奏されブロックのハーモニカ、バットのアコピとのコンビネーションも自然で、元々レミーが作曲した曲のムードをより盛り上げています。ボーカルはMr.ディブス。
アコギのアルペジオにストリングが乗る美しいイントロからブロックのリードボーカルによるWe Took The Wrong Step Years Ago。弦楽器に加えて各種管楽器がソロを添えていきます。ボーカルにハモリを加えているのはチャドウィックのようです。
原曲の通り、飛行機のプロペラ音から始まるFlying Doctor。イントロのギターがスパニッシュ色。ボーカルはディブス。この曲は抑揚が激しいアレンジしがいのある曲調なので、A面の終わりらしくとても盛り上がります。チャドウィックがリズムの合間で色々叫んでいて楽しい。
さてB面に移ります。アップテンポで威勢の良いPSI Power、今作ではPsychic Powerと名付けられています。アコギのリズミカルなカッティングにホーンがアクセント。
続いてマグナス・マーティン作の新曲、Hymn To The Sun。アコギのアルペジオのメロディを聴かせるスローな美しいインストですが、反面ストイックな冷ややかさも備えた曲、バッキングはストリングス。
今作はホウクローズ曲が多く、続くMicro Manはバラード調に仕上げています。中間部のハゲットのサックスソロもストリングスのバッキングに乗せてメローに吹かれます。ブロックのボーカルはいつになく朗々と歌っています。
Intro The Nightはタイトルの通り、終曲Down Through The Nightのイントロの役割。これもマーティン作曲で彼のアコギを主役にバットのストリングスアレンジが盛り上げます。いつしかリフはDown Through The Nightに変わり、ボーカルはディブス中心にしたコーラスに。中間部はブロックのワウのかかったエレキソロ、そこにハーモニカもかぶってきます。ストリングスとホーンで盛大に終了。拍手や掛け声などのSEが添えられています。
先日、ニューアルバムは9月かと予想しましたが、バンド公式サイトとチェリーレッド・レコーズで突如発表ありました。発売は9月14日。内容は本年11月に実施される、バンド初のオーケストラとの共演ツアーIN SEARCH OF UTOPIAに向けた作品となる模様。オケのスコアは才人マイク・バットが担当。過去曲や新曲が含まれる内容。さらにドレミのThe Watcherには、ブロックの旧友エリック・クラプトンがゲスト参加との事。
ROAD TO UTOPIA – CHERRY RED RECORDS / CD:CDBRED730 / Vinyl:BRED730 (2018)
バンドメンバーがクリケットをしている水彩画という微笑ましいジャケ。参加メンバーは現メンバーで変更なし。ブロック、チャドウィック、ディブス、ウィートン、マグナス。CDと限定のLPでの発売。初のオケ共演がツアーより先に聴けることになり、とても楽しみです! バンドのプレスリリース
チェリーレッド・レコーズの作品ページ。 CD LP