ChihiroS.芸能生活40+2周年記念ライブレビュー

日本におけるホークウィンドの紹介において、斎藤千尋先生のご貢献は最大級ですよね。80年代は千尋先生のMARQUEE MOONでの詳細記事がなければ、ホークスの作品群の見当がつかなかったと言っても過言ではありません。カトゥラ・トゥラーナを知ったのも当時マーキー付録のソノシート。この1980年7月のVOL.5では千尋先生のニック・ターナーの記事も。

今回は千尋先生からお誘いをいただき、ホークス曲もやられるとのことでした。ハシシとのことで、ちょうど当サイトでサイモン・ハウス特集を掲載したばかりでした。5月15日、吉祥寺のシルバー・エレファント。会場は満員御礼。2つのバンド、LACRYMOSA PAGANとまぼろしペイガンズの2部構成のステージで、最後には全員での演奏となりました。LACRYMOSAには私の高校時代からの友人、園丁さんが出演することもあり楽しみにしていました。ドラマーの吉江潤也さん、ボーカルは未藍千紗さんで4名。LACRYMOSA時代の3曲を再演をされました。Random Accessの演奏は中間の即興パートから後半へのテーマの繋がり、Wreck Again IIの強烈変拍子など聴きどころ満載でした。園丁さんのイングリッシュホルンのトリビアも初めて聞いた話で面白かったです。

まぼろしは同じく吉江さんのドラムにタロット続木さんの3人にゲスト夜の歌謡曲の石川さおりさんがボーカル、ブズーキ、タンブールに寺島慎吾さん。リック・ウエイクマンのアーサー王からの選曲は意外でしたが、新しい感覚のアレンジで興味深いものでした。アモン・デュールIIの『狼の街』の名曲「Surronded By The Stars」、『神の鞭』の「ルシファーのギロム」などを演奏。ギロムのバイオリン演奏の解説など、千尋先生らしい解説で続木さんとのトークも楽しめました。
最後は2バンドフルメンバーでAD2の「ドイツ・ネパール」が演奏され、トリはホークスの「ハシシ」を演ってくれました。続木さんのとても表情の豊かなバイオリンはここでは、原曲の激しい演奏を再現しつつ、伸びやかに演奏されていました。リード楽器はバイオリンに加え園丁さんのオーボエも加わり、ボーカルは二人の女性ボーカルという新機軸。SUBWAY TO SALLYのMephistoのカバーは日本初かもということでしたが、Hassan I Sahbaも初だと思います。原曲の高揚感がこの編成ならではのものに昇華されていました。先生のAD2やホークス、はたまた昭和歌謡への愛情が感じられる素敵なステージでした。







