夏のフェス巡業/リミックスアルバム再発

50周年記念ツアーを11月に控えているホークウインドですが、この夏場も例年と変わることなく各国のサマーフェスティバルの巡業。5月にイビザ島のHRH、6月はベルギーのグラスホップ・メタル・ミートに出演。この週末はグラストンバリーのアコースティックステージに、7月はスコットランドのドゥーン、8月もスコットランドのインヴァネスのフェスに出演予定といった感じで毎月何かしらのフェスに出てますね。

また今月は以前リリースされていたアストララージアのリミックスアルバムがリマスター再発されてます。カバーを新装、デジパック。

ASTRALASIA / THE HAWKWIND REMIXES
(TALKING ELEPHANT – TECD 425 /2019)

内容は90年代にホークスのリミックスを行なっていたアストララージアのトラックを編纂し、2007年にVOCEPRINTからリリースされたTHE HAWKWIND RE-MIXESのリマスターで、内容は全く同じものです。

ASTRALASIA / THE HAWKWIND RE-MIXES
(VOICEPRINT – VP361CD /2007)

アラン・デイヴィのプロジェクト Hawkestrel アルバム・レビュー

HAWKESTREL / THE FUTURE IS US (PURPLE PYRAMID – CLO1235)

先日、LAのクレオパトラ・レコーズをリリース拠点としているニック・ターナーの新作に封入されたフライヤーに告知が出ていたHawkestrelというプロジェクトのアルバムがクレパトのレーベル、パープル・ピラミッドからのリリース。

フタを開けてみると、デイヴィのプロジェクトでした。デイヴィはロスに移住後、クレパトから自身の関わった作品PINK FAIRIESのRESIDENT REPTILES、今作の前月には自身のバンドBEDOUIN名義でアルバムTIME IS MADE OF GOLD(PURPLE PYRAMID – CLO 1175)をリリースしています。

参加ミュージシャンはデイヴィの付き合いの深いホークスメン、ニック・ターナー(Sax)、ポール・ルドルフ(G)、サイモン・ハウス(Vl)、ミック・スラットリー(G)、ブリジット・ウィシャート(Vo)が参加。クレパトのミュージシャン・コネクションを活用したと思われるまさかのジンジャー・ベイカー(Dr/Per)、ホークスとコラボレーションしたカーク船長ウィリアム・シャトナー(Vo)の参加。おそらく楽曲データをネット上で介してそれぞれがオーバーダブして制作しているものと思います。クレパトの豪華なゲスト陣はそうしたプロダクションができるため実現していると考えられます。

楽曲はデイヴィ作曲が中心で、上記のメンバーが参加した曲で一部連名もあり。そして、参加メンバーリストには、レミー(Vo)、HLラントン(G)といった故人の名前が。

ラントン参加曲は12 String Shuffleという曲で、その名の通りラントンの12弦ギター&ハーモニカによるブルーズ演奏に後からデイヴィのベースやシンセ、ベイカーのドラムをかぶせたもの。おそらくラントンと行ったデモ演奏か何かの素材を加工したと思われます。

レミーがボーカルで登場するのは、本人が出演した映画「サンセット・ソサエティ」の挿入歌でレミーが歌うBad Boys For Lifeのカバー。レミーのボーカルトラックだけを使用し、演奏はデイヴィが全て行っています。デイヴィが慕い敬愛していたレミーに対する思いを感じます。サンセット・ソサエティのサントラはクレパトがリリースしているため実現したコラボ。

オープナーのDo What Ya Need To DoはタイトルからもYou Shouldn’t Do That(IN SEARCH OF SPACE/宇宙の探求)のニュアンスが伺えますが、出だしが正にその印象。ハウスのバイオリンが絡みながら進行する感じは古くからのファンはニンマリしそうですね。バイオリン以外のボーカル、ドラムプログラミング、ギター、シンセは全てデイヴィがプレイ。

続くWorld Of Fearはギターにルドルフ、サックスにターナーが加わったミディアムテンポのハードロック。ドラムは打ち込み。全編のバックでメロトロン風のストリングスが鳴っています。

Sea Of Sandはデイヴィとウィシャート共作。ウィシャートがボーカル、ルドルフがアコギ。そしてドラムにベイカーが登場。ウィシャートのボーカルにエフェクト処理がかかっているため、ゴングっぽい浮遊感、ルドルフのアコギはオリエンタルスケールを奏で、サイケな印象が強い曲でなかなかの良曲。リズムは単調なので、ベイカーの特徴はあまり出ていません。ウィシャートはもう1曲Free Like Usでもデイヴィと共作しており、そちらの演奏はデイヴィとルドルフの二人だけで、ハードリフによるリズムに乗るウィシャートのボイスが心地良い佳曲。

Nyx Of Khaosはデイヴィ作。ベイカーとデイヴィのリズムにスラットリーのエレキ、ターナーのサックスというコンビネーション。転調を多く取り入れたアレンジでベイカーのドラミングも冴えています。

タイトルナンバーThe Future Is Usは同じくベイカー、ターナーでギターがルドルフ。スローなイントロにテナーサックス、深いエコーのかかったデイヴィのボーカル。リズムが入ってストイックな進行をしたかと思うとアコギのリフの入りテンポダウン。深いシンセの音色が漂う中間部。突然ロックンロールで楽しげなサックスで終了という変化に富んだ曲。

おなじみSonic Attackは、以前同曲でホークスとコラボ経験のあるシャトナー、さすがに饒舌。デイヴィのVCS3などのシンセのエフェクトも堂に入ってます。

May Sunはベイカー、ハウスに加えて、デイヴィの従兄弟で以前からデイヴィのバンド、ガンスリンガーなどに客演していたナイジェル・ポッターがボーカルで参加。スロー曲でデイヴィのローズピアノが印象的。

全体にバラエティ感が強く、デイヴィのソロアルバムに旧ホークスメンのコネクションを生かしたゲスト勢が参加、という感じです。デイヴィのソロアルバムは初期の頃はスペイシーな作風、バンドBEDOUINではゴリゴリのハードロックといった感じでしたが、今作はいずれの要素を含みつつ、幅が広がっています。デイヴィの使用機材にVCS3とありますが、ホークスのような電子音乱舞という使い方は少ないので、スペイシー感はあまりありません。またトータルなコンセプトはないので、多少散漫な印象はありますが、ホークスファンには楽しめる作品です。

久しぶりのリミックスは超変則な2曲

HAWKWIND / RANGOON, LANGOONS – Emotional Rescue ERC074 (2019)

UKの再発専門のレーベルEmotional Rescueより、ホークウインドのリミックス・ヴィニールがリリースされました。リミックスを手がけたのは、CHERRYSTONESというプロジェクト名で活躍しているギャレス・ゴダード。

今回取り上げられた楽曲はASTOUNDING SOUNDS, AMAZING MUSIC(アストウンディング・サウンズ, アメイジング・ミュージック/1976年リリース)のThe Aubergine That Ate Rangoon(ラングーンを食べたナス)、City Of Lagoons(ラグーンの町)。ホークスのアルバム中最もホークスらしくないアストウンディングの中でも、さらにらしくない2曲をセレクト。原曲はアルバム中スローテンポなチルアウト曲で、これがリミクサーの目にとまったようです。

各曲は原曲のリミックス版、そしてCHERRYSTONES REWORKとされた大幅に変更&再構築されたトラックで構成されています。マスターはCHERRY REDのマスターを使用。各面2トラックの合計4トラックですが、回転数は33rpm。

リミックス・トラックは原曲の印象はそのままにパーカッション類のサウンドが強調され、音の粒立ちがはっきりしたメリハリ感によりリフレッシュ。

REWORKトラックは原曲のリフや音色を使い、新しい解釈で再構築。かなり印象が変わっています。

かなり異色な選曲ということで、ホークスファン向きではありませんが、今でもダンスシーンからのアプローチがあるホークスの特質を感じます。