アラン・デイヴィのプロジェクト Hawkestrel アルバム・レビュー

HAWKESTREL / THE FUTURE IS US (PURPLE PYRAMID – CLO1235)

先日、LAのクレオパトラ・レコーズをリリース拠点としているニック・ターナーの新作に封入されたフライヤーに告知が出ていたHawkestrelというプロジェクトのアルバムがクレパトのレーベル、パープル・ピラミッドからのリリース。

フタを開けてみると、デイヴィのプロジェクトでした。デイヴィはロスに移住後、クレパトから自身の関わった作品PINK FAIRIESのRESIDENT REPTILES、今作の前月には自身のバンドBEDOUIN名義でアルバムTIME IS MADE OF GOLD(PURPLE PYRAMID – CLO 1175)をリリースしています。

参加ミュージシャンはデイヴィの付き合いの深いホークスメン、ニック・ターナー(Sax)、ポール・ルドルフ(G)、サイモン・ハウス(Vl)、ミック・スラットリー(G)、ブリジット・ウィシャート(Vo)が参加。クレパトのミュージシャン・コネクションを活用したと思われるまさかのジンジャー・ベイカー(Dr/Per)、ホークスとコラボレーションしたカーク船長ウィリアム・シャトナー(Vo)の参加。おそらく楽曲データをネット上で介してそれぞれがオーバーダブして制作しているものと思います。クレパトの豪華なゲスト陣はそうしたプロダクションができるため実現していると考えられます。

楽曲はデイヴィ作曲が中心で、上記のメンバーが参加した曲で一部連名もあり。そして、参加メンバーリストには、レミー(Vo)、HLラントン(G)といった故人の名前が。

ラントン参加曲は12 String Shuffleという曲で、その名の通りラントンの12弦ギター&ハーモニカによるブルーズ演奏に後からデイヴィのベースやシンセ、ベイカーのドラムをかぶせたもの。おそらくラントンと行ったデモ演奏か何かの素材を加工したと思われます。

レミーがボーカルで登場するのは、本人が出演した映画「サンセット・ソサエティ」の挿入歌でレミーが歌うBad Boys For Lifeのカバー。レミーのボーカルトラックだけを使用し、演奏はデイヴィが全て行っています。デイヴィが慕い敬愛していたレミーに対する思いを感じます。サンセット・ソサエティのサントラはクレパトがリリースしているため実現したコラボ。

オープナーのDo What Ya Need To DoはタイトルからもYou Shouldn’t Do That(IN SEARCH OF SPACE/宇宙の探求)のニュアンスが伺えますが、出だしが正にその印象。ハウスのバイオリンが絡みながら進行する感じは古くからのファンはニンマリしそうですね。バイオリン以外のボーカル、ドラムプログラミング、ギター、シンセは全てデイヴィがプレイ。

続くWorld Of Fearはギターにルドルフ、サックスにターナーが加わったミディアムテンポのハードロック。ドラムは打ち込み。全編のバックでメロトロン風のストリングスが鳴っています。

Sea Of Sandはデイヴィとウィシャート共作。ウィシャートがボーカル、ルドルフがアコギ。そしてドラムにベイカーが登場。ウィシャートのボーカルにエフェクト処理がかかっているため、ゴングっぽい浮遊感、ルドルフのアコギはオリエンタルスケールを奏で、サイケな印象が強い曲でなかなかの良曲。リズムは単調なので、ベイカーの特徴はあまり出ていません。ウィシャートはもう1曲Free Like Usでもデイヴィと共作しており、そちらの演奏はデイヴィとルドルフの二人だけで、ハードリフによるリズムに乗るウィシャートのボイスが心地良い佳曲。

Nyx Of Khaosはデイヴィ作。ベイカーとデイヴィのリズムにスラットリーのエレキ、ターナーのサックスというコンビネーション。転調を多く取り入れたアレンジでベイカーのドラミングも冴えています。

タイトルナンバーThe Future Is Usは同じくベイカー、ターナーでギターがルドルフ。スローなイントロにテナーサックス、深いエコーのかかったデイヴィのボーカル。リズムが入ってストイックな進行をしたかと思うとアコギのリフの入りテンポダウン。深いシンセの音色が漂う中間部。突然ロックンロールで楽しげなサックスで終了という変化に富んだ曲。

おなじみSonic Attackは、以前同曲でホークスとコラボ経験のあるシャトナー、さすがに饒舌。デイヴィのVCS3などのシンセのエフェクトも堂に入ってます。

May Sunはベイカー、ハウスに加えて、デイヴィの従兄弟で以前からデイヴィのバンド、ガンスリンガーなどに客演していたナイジェル・ポッターがボーカルで参加。スロー曲でデイヴィのローズピアノが印象的。

全体にバラエティ感が強く、デイヴィのソロアルバムに旧ホークスメンのコネクションを生かしたゲスト勢が参加、という感じです。デイヴィのソロアルバムは初期の頃はスペイシーな作風、バンドBEDOUINではゴリゴリのハードロックといった感じでしたが、今作はいずれの要素を含みつつ、幅が広がっています。デイヴィの使用機材にVCS3とありますが、ホークスのような電子音乱舞という使い方は少ないので、スペイシー感はあまりありません。またトータルなコンセプトはないので、多少散漫な印象はありますが、ホークスファンには楽しめる作品です。

アリの BEDOUIN 再発

ALAN DAVEY - BEDOUIIN
ALAN DAVEY – BEDOUIIN 
(HAWK RECORDS HAWKVP21CD)

ホークスの新作の陰では、アリのソロ BEDOUIN が VOICEPRINT よりリリースされていました。これは96年の1stソロに続く第2弾ソロ・アルバムで、97年 EBS よりリリースされていた作品。今回再発となったものです。アルバムタイトルの BEDOUIN はその後のアリの組織したバンド名になりました。バンド形式とアリのマルチプレイ曲によって構成されています。

ドラムスに旧友ダニー・トンプソン、ギターにホークスのサポートも務めた経験のあるシーン・マセットが参加しています。このトリオで BEDOUIN として活動を開始します。99年にはギターがマセットからグレン・ポヴィに代わり、アリのホークス復帰後の現在も活動を続けています。
全体にアリのスペースアンビエントな作風にトンプソンのドラムスとパーカッションが添えられ力強いサウンドになっています。

ジェフ・ウエイン「宇宙戦争」イベント

今年5月に巨大ステージセットを舞台にした一大イベント THE WAR OF THE WORLDS のこけら落としがマンチェスターで行われますがオープニング・アクトでホークスがプレイします。このイベントは昨年に予定されていましたが、延期されておりました。このイベントのコンセプト元はHGウエルズのSFで、ジェフ・ウエインがミュージカル化し、すでにアルバムは78年にリリースされ当時結構ヒットしていました。
ホークスはアルバムには関与しておりませんでしたが、このイベントにふさわしいロックバンドとして招かれたようです。

BEDOUIN 新作は S.ハウス、ゲスト参加

BEDOUIN / AS ABOVE SO BELOW
BEDOUIN
AS ABOVE SO BELOW

SALAHADIN RECORDS CD001 (2001)

アリのバンド BEDOUIN の新作はギター、ドラム(ダニー・トンプソン)、ベース&ボーカルという、いつものトリオ編成ですが、今回はサイモン・ハウスがバイオリンで参加しています。基本的にストレートで一本調子なハード・ロックですが、ひねったリフが増えていること、ハウスのバイオリンが色を添えているため、今作はいい感じにまとまったようです。特にハウスのバイオリンはワウをかけたりするあたりなど、あの HIGH TIDE を彷彿とさせます。

THE ANUBIAN LIGHTS 新作の方向性

THE ANUBIAN LIGHTS / NAZ BAR
THE ANUBIAN LIGHTS
NAZ BAR
THE ANUBIAN LIGHTS / OUTFLIGHT
OUTFLIGHT
共にレーベルは CRIPPLED DICK HOT WAX!

前作 LET NOT THE FLAME DIE OUT から3年、トミー・グリナスとレン・デル・リオのユニットは、ドイツのレーベルに移し新作をリリースしました。前作はニック、ハウスが参加していましたが、今回はホークス・メンは参加しておりません。サウンドは、より国籍不明度を増し、従来顕著でしたアラビアンなスケールは残しつつ、よりエレクトロニクスを強調したグルーヴィーなハウス・ミュージックに向かっています。ここまで変化してくると、ホークスとはかなりかけ離れた音楽です。個人的にこれはこれでいいような気がします。アルバムからのシングル・カット Outflight はお決まりのリミックス・エディット。