ホークウインドの未発表トラック含む注目の10枚ディスクセット、DAYS OF THE UNDERGROUNDを入手しました。改めてディスクレビューしますが、まずは速報です。チェリー・レッドのボックスセットということで、従来のようなクラムシェルのボックスかと予想していましたが、一辺25cmもある大きめのボックスで気合を感じます。



ブックレットはフルカラーで60ページ以上のボリューム。当時のプロモーションなどの画像や各アルバムの情報はマーク・パウエルが執筆。さらにQUARK STRANGENESS AND CHARMのオリジナルインナースリーブの歌詞が転載され、元々歌詞カードのなかった、25 YEARS ON、P.X.R.5の全歌詞も掲載!QS&Cのタイプ打ちのデザインを踏襲したこだわりよう。



内容ですが、QS&C、25 YEARS ON、P.X.R.5それぞれのスティーヴン・ウィルソンによるリミックスについては、電子音をはじめとする効果音など今まで聞こえていなかったものが聞き取れるようになったりと、明確な差を感じます。おそらくミックスダウン前のマルチトラックテープに収録されていたが、当時2chにミックスダウンされる際、削除された部分かと思われます。ミックスにおいても原曲の良さを引き出す感じで、絶体絶命のミックスの時よりもさらに踏み込んだものです。いくつか例をあげると、QS&CではSpirit Of The Age冒頭の効果音パート、Damnation Alleyのバックのキーボードのパッド音のミックスが大きく包まれ感が増しています。Days Of The Undergroundの冒頭にドラムのタム回しが追加など。25 YEARS ONでは、Automotonの印象がかなり違い後半テンポアップしません。P.X.R.5のROBOTの冒頭には10秒くらいの電子音のイントロ(おそらくスタジオでオーバーダブしたもの)があるなど。またすでにATOMHENGE盤に追加されていたデモテイクやアウトテイク類も収録されていますが、詳細はレビュー制作の際に詳しく検証します。またCD5〜CD8のライブについては、過去出ていたものとのクロスチェックをしないと詳細は分かりませんが、SONIC ASSASSINSのギグには初出が含まれていると思います。全体に音質はサウンドボードからのもので、良好で非常に良いです。
サラウンド版について

ブルーレイですが、絶対絶命に続いての5.1chサラウンド化、一気に3アルバムのサラウンドが楽しめます!この時期はSF的な光景を表現した楽曲が多く、そのニュアンスをウィルソンはサラウンドでどのように展開するか期待していましたが、最高です。
3アルバムとも基本仕様としてリードボーカルはフロントセンター、バックコーラスはリアに定位。ドラムはリアでも鳴っていますがややフロント寄り。電子音などのSEはリスナーを包み込むように前後左右にパンしまくっています。ブロックのエレキのコードストロークは主にフロント、リフやソロは曲によってリアに置かれていることもあります。例として、例えば25 YEARS ONの各トラックの状況は以下のような感じです。
PSI Power オルガン、エレキはフロント、アコギはリアに振り分けています。ボーカルはもちろんフロントセンター。バックコーラスはリア。今回バックコーラスはリアに明確に振り分けて、カルバートのリードボーカルを大切にしているようです。ドラムは前後のセンターに定位してリズム感を強く出している感じ。トランペットはリア。終盤のシンセも前後センター。最後のボイスはそれこそサラウンド満点の前後左右から聞こえ、人の心の声が聞こえてしまうサイコキネシス感の表現です。いや〜楽しい。
Free Fall 様々に表情を変えるホワイトノイズが特徴的な効果音として使われていますが、これが包み込むように動いています。ギターリフはフロント右、シンセリード、ポリシンセは左の前後で鳴っています。電子音もホワイトノイズ同様、包み込み浮遊感を表現。
Automaton クロック電子音やイコライジング処理されたボイスがぐるぐる回ってます。
25 Years エレキはフロント右、バックのポリシンセはリア、間奏時の掛け声は前後左右、目まぐるしく鳴り分けています。など、実に楽しめる内容です。
ライブ映像について
そして、ホウクローズのライブ映像ですが、よくぞ収録してくれましたというより、こんなビデオあったこと誰も知らなかったのでは?と思われます。一部事前公開されていたPSI Powerでは時代を考えると画像の良さに驚きました。BDに収録されているのは、そのPSI Powerと25 Yearsの2曲のみですが、今まで見ることのできなかったホウクローズ期のライブ映像ということで実に興味深く、カルバートの仕草やグリフィンのドラミング、特にキーボードのスインデルスの機材が判明したことも収穫。アルバムでもピッチベンドを使ったようなポリシンセのサウンドが聞こえていましたが、その正体はヤマハCS-80でした。またストリングスはソリーナを使用、モノシンセはハウスさんから伝統のミニコルグでした。ステージはシンプルで演奏がよく見えますし、これは本当に嬉しい内容でした。
10枚組ということで、値段は15,000円くらいで張りますが、ファン必携のセットかと思います。
