昨年出版されたシンコーミュージック・エンターテイメント「UKアンダーグラウンド 1967-1980」(白谷潔弘著)は、60年代から70年代のUKロックのアンダーグラウンドシーンの中でも、とりわけラドグローブブローク、ノッティングヒル周辺のアーティストに焦点を当てた切り口で書かれたもの。その観点での日本での分析はあまりなく、以前ロック雑誌marqueeの96年11月号で特集された「THE GROOVER IN 60s-70s NOTTING HILL GATE」が記憶に残っています。ミック・ファレンの回想記、ニック・ターナーの解説など興味深い記事で、このサブカルの深さを感じたものです。この本では、そのシーンの主要アーティストの紹介、ディスコグラフィの紹介を目的として書かれています。プリティ・シングス、デヴィアンツ、ピンク・フェアリーズ、ハイ・タイド、アーサー・ブラウンといったホークウインドと直接的、間接的に関係のあったバンドをはじめ、スティーヴ・ペレグリン・トゥック、マイティ・ベイビーなどシーンの主要アーティストにスポットを当てるという素晴らしい取組みです。著者はもちろんこの出版を判断したシンコーミュージックもブラボーです。ホークスについてはメジャーなアルバムを2020年の50 LIVEまでカバー、全体で24ページにわたって掲載。ページ数では収録されているアーティストでは最も多くページを割いています。ロバート・カルバート、ICUやサイモン・ハウス、ムアコック、最近のアラン・デイヴィのホウケストレルなどの周辺アーティストの主要作品もカバー。ここ何年もホークスがプレスで大きく取り上げられることはなかったので、その点で非常に嬉しいですね。

昨年マイケル・ムアコックのインタビュー記事を2つ転載しましたが、そこで語られている内容は、ムアコックやホークスがこのシーンの真っ只中にいたことが分かるものです。ムアコックのLIVE AT THE TERMINAL CAFÉ(2015)には故マーティン・ストーン(マイティ・ベイビー)が参加しているというのも、このカルチャーの遺産の中で起きたことだったと実感します。ホークスやこのシーンのアーティストに関心のある方のみならず、UKロックに興味ある方にもおすすめの本です。

By HawkwindDaze

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