アラン・デイヴィ ホークウィンド&ロバート・カルバートのカバーライブアルバム

先日新プロジェクトHAWKESTRELのアルバムがリリースされたばかりのアラン・デイヴィですが、別プロジェクトPSYCHEDELIC WARLORDSのホークスとカルバートのカバーアルバムの情報です。

2014年にロンドンのカムデンでAlan Davey’s Psychedelic Warlordsが演奏したカルバートのソロアルバム「キャプテン・ロッキード&ザ・スターファイターズ」とホークスの「永劫の宮殿」がそれぞれ現在のリリース拠点であるCleopatra Recordsよりリリースされています。CDに加えてLPレコード(デイヴィの直筆サイン付き)も。このプロジェクトPSYCHEDELIC WARLORDSは2012年からUKで活動しており、アルバムもリリースされたことがあります。現在はボーカル、サックスなどを担当するクレイグ・ハイをフロントにしています。

この2枚のライブアルバムは原曲に忠実ながらそのC.ハイのサックスが目立っています。キャプテン・ロッキードでの幕間劇はオリジナルを使用しています。

ALAN DAVEY’S PSYCHEDELIC WARLORDS / HALL OF THE MOUNTAIN GRILL LIVE (LONDON 2014)
CD : CLO1400CD
Vinyl : CLO1400VL
ALAN DAVEY'S PSYCHEDELIC WARLORDS / CAPTAIN LOCKWEED & THE STARFIGHTERS LIVE
ALAN DAVEY’S PSYCHEDELIC WARLORDS / CAPTAIN LOCKWEED & THE STARFIGHTERS LIVE
CD : CLO1399
Vinyl : CLO1399VL

デイヴィはこのプロジェクト以外では、自身のバンドBEDOUIN、GUNSLINGER、ソロ作など精力的に活動しています。2015年にソロ作としてホークウィンドの「エイリアン4」収録の自作曲スプートニク・スタンをテーマにしたコンセプトアルバムSPUTNIK STAN VOL.1: A FISTFUL OF JUNKをリリースしています。スペースロック全開でドラマ仕立ての傑作です。全ての楽器をプレイ、コミックブックもつけるという力作でした。CLEOPATRA RECORDSより再発されています。

ALAN DAVEY / SPUTNIK STAN VOL.1: A FISTFUL OF JUNK
EARTHQUAKE RECORDS – EQRCD018
CLEOPATRA RECORDS – CLO0550CD

アラン・デイヴィのプロジェクト Hawkestrel アルバム・レビュー

HAWKESTREL / THE FUTURE IS US (PURPLE PYRAMID – CLO1235)

先日、LAのクレオパトラ・レコーズをリリース拠点としているニック・ターナーの新作に封入されたフライヤーに告知が出ていたHawkestrelというプロジェクトのアルバムがクレパトのレーベル、パープル・ピラミッドからのリリース。

フタを開けてみると、デイヴィのプロジェクトでした。デイヴィはロスに移住後、クレパトから自身の関わった作品PINK FAIRIESのRESIDENT REPTILES、今作の前月には自身のバンドBEDOUIN名義でアルバムTIME IS MADE OF GOLD(PURPLE PYRAMID – CLO 1175)をリリースしています。

参加ミュージシャンはデイヴィの付き合いの深いホークスメン、ニック・ターナー(Sax)、ポール・ルドルフ(G)、サイモン・ハウス(Vl)、ミック・スラットリー(G)、ブリジット・ウィシャート(Vo)が参加。クレパトのミュージシャン・コネクションを活用したと思われるまさかのジンジャー・ベイカー(Dr/Per)、ホークスとコラボレーションしたカーク船長ウィリアム・シャトナー(Vo)の参加。おそらく楽曲データをネット上で介してそれぞれがオーバーダブして制作しているものと思います。クレパトの豪華なゲスト陣はそうしたプロダクションができるため実現していると考えられます。

楽曲はデイヴィ作曲が中心で、上記のメンバーが参加した曲で一部連名もあり。そして、参加メンバーリストには、レミー(Vo)、HLラントン(G)といった故人の名前が。

ラントン参加曲は12 String Shuffleという曲で、その名の通りラントンの12弦ギター&ハーモニカによるブルーズ演奏に後からデイヴィのベースやシンセ、ベイカーのドラムをかぶせたもの。おそらくラントンと行ったデモ演奏か何かの素材を加工したと思われます。

レミーがボーカルで登場するのは、本人が出演した映画「サンセット・ソサエティ」の挿入歌でレミーが歌うBad Boys For Lifeのカバー。レミーのボーカルトラックだけを使用し、演奏はデイヴィが全て行っています。デイヴィが慕い敬愛していたレミーに対する思いを感じます。サンセット・ソサエティのサントラはクレパトがリリースしているため実現したコラボ。

オープナーのDo What Ya Need To DoはタイトルからもYou Shouldn’t Do That(IN SEARCH OF SPACE/宇宙の探求)のニュアンスが伺えますが、出だしが正にその印象。ハウスのバイオリンが絡みながら進行する感じは古くからのファンはニンマリしそうですね。バイオリン以外のボーカル、ドラムプログラミング、ギター、シンセは全てデイヴィがプレイ。

続くWorld Of Fearはギターにルドルフ、サックスにターナーが加わったミディアムテンポのハードロック。ドラムは打ち込み。全編のバックでメロトロン風のストリングスが鳴っています。

Sea Of Sandはデイヴィとウィシャート共作。ウィシャートがボーカル、ルドルフがアコギ。そしてドラムにベイカーが登場。ウィシャートのボーカルにエフェクト処理がかかっているため、ゴングっぽい浮遊感、ルドルフのアコギはオリエンタルスケールを奏で、サイケな印象が強い曲でなかなかの良曲。リズムは単調なので、ベイカーの特徴はあまり出ていません。ウィシャートはもう1曲Free Like Usでもデイヴィと共作しており、そちらの演奏はデイヴィとルドルフの二人だけで、ハードリフによるリズムに乗るウィシャートのボイスが心地良い佳曲。

Nyx Of Khaosはデイヴィ作。ベイカーとデイヴィのリズムにスラットリーのエレキ、ターナーのサックスというコンビネーション。転調を多く取り入れたアレンジでベイカーのドラミングも冴えています。

タイトルナンバーThe Future Is Usは同じくベイカー、ターナーでギターがルドルフ。スローなイントロにテナーサックス、深いエコーのかかったデイヴィのボーカル。リズムが入ってストイックな進行をしたかと思うとアコギのリフの入りテンポダウン。深いシンセの音色が漂う中間部。突然ロックンロールで楽しげなサックスで終了という変化に富んだ曲。

おなじみSonic Attackは、以前同曲でホークスとコラボ経験のあるシャトナー、さすがに饒舌。デイヴィのVCS3などのシンセのエフェクトも堂に入ってます。

May Sunはベイカー、ハウスに加えて、デイヴィの従兄弟で以前からデイヴィのバンド、ガンスリンガーなどに客演していたナイジェル・ポッターがボーカルで参加。スロー曲でデイヴィのローズピアノが印象的。

全体にバラエティ感が強く、デイヴィのソロアルバムに旧ホークスメンのコネクションを生かしたゲスト勢が参加、という感じです。デイヴィのソロアルバムは初期の頃はスペイシーな作風、バンドBEDOUINではゴリゴリのハードロックといった感じでしたが、今作はいずれの要素を含みつつ、幅が広がっています。デイヴィの使用機材にVCS3とありますが、ホークスのような電子音乱舞という使い方は少ないので、スペイシー感はあまりありません。またトータルなコンセプトはないので、多少散漫な印象はありますが、ホークスファンには楽しめる作品です。